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「ポーラー」しかけ絵本 ~動く写真で見る南極・北極の世界~

以前、しかけ絵本「サファリ」をご紹介いたしましたが、今回はそのシリーズ第3冊目であり翻訳版としては最近出版されたばかりの「ポーラー」を取り上げてみたいと思います。
※第2弾の「オーシャン」はあえて飛ばさせて頂きます。理由についてはお察しください。
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この「動く写真で見る・しかけ絵本」は前回の紹介に重複しますがダン・ケイネンさんとキャロル・カウフマンさんが作った しかけ絵本です。
誰もが驚くのがその仕掛け。ダン・ケイネンさんによる「フォトキュラー PHOTOCULAR」と呼ばれる技術によって、正に動く写真のごとく本の中で動物が動きまくります。そのしかけに子供は勿論大人も見入ってしまうこと間違いなしです。

今回のポーラーではそのタイトル通り、北極・南極で生きる動物たちが紹介されています。
順番にペンギン、ホッキョクグマ、シロフクロウ、セイウチ、そり犬、シロイルカ、トナカイ、そして最後はこれまた素敵な演出が待っています。

まずは表紙のペンギン!「サファリ」のチーターと同じく最初に一番メインになるような目を引く動物を持ってくるあたり、やはりお客さんが手に取りたくなる工夫・術を心得ているとみた!
このペンギンが何とも可愛いのです。というかペンギン自体がまず可愛いのに加えて、それが仕掛けによってヨチヨチと歩くのだからそりゃズルいですよ。
仕掛け(写真)だけでなくポーラーでもサファリと同様に図鑑形式で詳しく動物に関して記述されています。ちなみに写真のペンギンはアデリーペンギンと呼ばれる種類だそうで、他にも6種のペンギンが南極に生息しているんだとか。有名なコウテイペンギンも南極に住んでおり、それに関する記載もなされています。

次はホッキョクグマです。
このホッキョクグマの写真もまた何とも愛らしい画を使っています。子グマが親グマにじゃれる姿は、北極最強の生物であることを忘れさせます。しかし、大人のホッキョクグマは体長2~3mにもなり、90㎏近くあるアザラシを一撃で仕留め海から陸(氷上)に持ち上げるパワーをもっています。一撃ですよっ、一撃!
また、極寒の北極圏で生きるうえでアザラシの肉に含まれるω-3脂肪酸という成分が欠かせないと、アザラシを捕食する重要性なども詳しく記載されています。
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その他の動物もそれぞれ動く写真と共に詳しく記載されています。当館のあるスタッフはシロフクロウを大変推しております。ハリーポッターに出てくるヘドウィグのような見事な毛並みに見入っております。(既に購入済!)子供にも自慢してしまうほどです。
ただ、フクロウにあまり北極のイメージがないのは私だけでしょうか。

しかし、北極にも夏があるのです。この夏と冬があることで生き物によっては大陸間を大移動します。冬は、人は勿論のこと実際にその地に生きる動物たちにとっても大変過酷な時期となります。夏は彼らにとって冬に備えたり、繁殖のタイミングともなる大事な時期です。シロフクロウはその夏だけ北極を訪れるのです。

ただ、こういった彼らの環境が今脅かされています。それは多くの方がご存知の地球温暖化の問題です。
北極海では海氷が年々薄く小さくなっているそうです。氷には太陽の熱を反射する役割があるそうで、それが失われ海水となってしまうと海は熱を吸収しやすいため更に温暖化の影響が進んでしまうのです。
北極・南極の氷が解けることである国の地域では海面上昇の問題なども起こっており、人間社会に大きな影響になっていますがそれ以上にその地に生きる動物たちにとって事は深刻です。
住むことに適した場所や捕食するための環境が失われ、またそれによって生態系や食物連鎖のピラミッドが崩れれば最後にまっているのは「種」の絶滅です。

この本は絵本であれどそんな難しい問題もキャロル・カウフマンさんの言葉で綴られています。
このシリーズの素敵なところは、大人も引き込むすごい仕掛け(動く写真)を備えることでこういった問題についても考えるキッカケに繋がることだと思います。子どもと一緒に親御さんもぜひ北極で暮らす動物たちの世界に触れてみてください。

最後に、前述に記載した最後の素敵な演出。それはオーロラです。
動く写真の利点を生かして北極の幻想的な魅力を表現しています。オーロラの仕組みについては実際にご覧になってご確認ください。私には?な部分が多いので・・。
原理はどうあれ地球の神秘には変わりありません。

宇宙は無限に広がっていると言いますが、生物が住める(可能性がある)星というのはほとんどないそうです。生きているということ自体がオーロラ以上に神秘なのです。
子どもと一緒に地球のこと、考えてみては如何でしょうか。
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