印象派

19世紀後半、フランス・パリにおいて興った芸術運動の一つ。
代表的な画家に、モネ、ルノワール、シスレーなど。

当時主流であった、アトリエ内で宗教画や歴史画、貴族の肖像画といった主題を描くスタイルから脱し、戸外の自然の中へ身を置き、今まさにそこにある瞬間の「光」や「色彩」を捉え、描こうと試みた。
それらは郊外の美しい自然の風景や、近代化するパリの様子、さらには刻一刻と変化する太陽の光や水辺の表情、蒸気機関車の煙などといった形のないものにまで及ぶ。
画家自身が瞬間に捉えた印象を、短い筆のストロークで素早くキャンバスに留めてゆき、それらが無数に集積することによって、一つの画面が構成されている。

当時はあまりに斬新なスタイルであり、画家の唯一の発表の場であった「サロン」でも落選となることが多く、1874年に作品の発表の場を求めて第1回印象派展(落選者展)を開催する。(1886年の第8回まで開催)
批判的であった人々の評価を徐々に獲得し、さらには技法の研究が進むことで新印象派の登場(スーラらによる点描技法など)からポスト印象派、キュビスムといったのちの重要な絵画運動の先駆けとなった。

クロード・モネ (1840~1926)
フランス・パリ出身。
「光の画家」の別称が存在するほど、生涯にわたって光とそれによって移り変わる色彩の表現を追求し続け、印象派においてもっとも典型的・代表的な画家である。

代表作には印象派の名称の由来ともなった『印象・日の出』(1872)や、自宅の庭の睡蓮をモチーフに亡くなる直前まで描き続けた『睡蓮』の連作(1899頃~1926)などがある。