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美術手帖 2014.6 —特集— 世界のアートスポット

—あなたの旅行計画にもうひとつの目線を。

「一生に一度は行きたい場所はどこですか?」あなたはどこを思い浮かべるでしょうか。
世界最大の鏡と称される、ウユニ塩湖?インカ帝国の空中都市、マチュピチュ遺跡?言わずと知れた巨大渓谷、グランドキャニオン?
どういったものでも、人々は見たこともない壮大なモノに憧憬の念を抱くのではないでしょうか。
 その選択肢に投じる一石として、私が紹介させていただきたいものが「美術手帖 2014.6 -特集-世界のアートスポット」です。

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「アートスポット」なんとなく意味は把握できるけれども、具体的なイメージがわかない。といった方が多いでしょう。この本は、豊富な画像と想像をふくらませるテキストで、そのイメージの構築に一役買ってくれます。
この場を借りてその魅力の一端を紹介できればと思います。

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まずこの本は、手に取る前から表紙に目を引きつけられることでしょう。この風景は堤防などではなく、アートスポット、そうです、これはアートなのです。
ロバート・スミッソンによって、ユタ州グレートソルト湖で1970年に制作された《スパイラル・ジェティ》は、水位の変動により数年に一度、全長457m、幅約5mもの巨大なアートとして塩湖面に顔を出します。作品そのものが徐々に分解されていくことすらアーティストに計画されたこのうずまきは、ランドアートの象徴的な作品といえるでしょう。

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こちらはリオデジャネイロにある、《ニテロイ現代美術館》です。館内はもちろんですが、今回紹介しているのは館そのもの。
市街地からグアナバラ湾を橋か船を使って行くことができるこの杯のような建物は、建築家であるオスター・ニーマイヤーの作品で、湾にせり出した崖の上から不思議なインパクトを放ちます。「花をイメージした。」とは建築者の談ですが、近所の人達からは「空飛ぶ円盤」と呼ばれているそうな。
 
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 またこの本では海外だけでなく、より身近なスポットアートとして日本国内のモノもとりあげています。
 こちらは岐阜県にある《養老天命反転地》。1万8000㎡からなる丘や窪みにある複雑な起伏と、随所に張り巡らされた傾斜した建物、迷路のような回遊路によって平衡感覚・遠近感を大きくゆさぶることによって起こる、ある種のトランス状態を楽しむ施設です。
とはいえ、ヘルメットと運動靴の貸し出しを行うほどケガ人が続出しているそうなので、少々注意が必要かもしれませんね。

もちろん内容はこれだけではありません。落雷を使ったものや、「そこに何もない」彫刻、石油王の構想した大人のテーマパーク等など・・・。
この本によって実物でなければわからないスケールの一端を感じる事ができれば、あなたの旅をワクワクさせてくれる仲間として加わり、旅行計画を大いに賑わせてくれること間違いないでしょう。