成田淑恵 展 -二つの動物画-

4月26日より、GWにも向けた新たなChallengeWall企画として、「成田淑恵 展」がスタートいたしました。成田さんは岐阜県出身。動物をモチーフとした作品を描き、2016年の上野の森美術館大賞展では優秀賞を受賞した期待の女流作家さんです。

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今展では約20点近い作品を展示しておりますが、その中でも一番の注目は、100号の大作「VOICE」だと思います。こちらは上記優秀賞を受賞した作品と同じタイトルの連作であり、サイをモチーフとしています。
キャンバスはモノクロで表現され、画面いっぱいに大きく描かれたサイ。その体には、成田さんがショックを受けた近年の自然災害や痛ましい出来事の記憶が刻まれています。角は噴火した火山、胴体には津波とそれに飲み込まれる街並み、足には売買目的のために角を折られたサイ。
今までは純粋でたくましく伸び伸びと生きる動物の姿を、暖かみのあるカラフルな色調で描いてきた成田さん。しかし、大きな災害によって、命の尊さ、それがいずれ尽きる物と改めて実感したことで、限られた人生の中で、人として、そして作家として何を残せるのかを考え生まれたのが、このモノクロのシリーズです。
動物のありのままの美しい姿を描くことから、動物の姿を通して、自身の心が大きく揺さぶられた出来事へ感じた「想い」を込めて制作された新たな境地となる作品です。

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今展では、その陰と陽とも表現できる、それぞれの作品をご覧いただけます。
決してモノクロの作品が新しい作品という訳でなく、本来の制作スタイルである純粋に動物の姿を描くことにも精力的であり、今展用に新たな新作も制作いただいています。
特にブタの作品が今展は多く、チラシのオモテ面にも起用していますが、何とも優しさに溢れた表情が印象的です。数点は0号~SMサイズの小品ながら、小さな画面の中に細かい描写と多彩な技法が感じられます。
また、成田さんは公募展を中心に作家活動を行っていたことから小品の制作自体がまだ少ないため、そういった意味でも貴重な機会と言えます。

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今回はショップをより広く使い、通常の展示スペースだけでなく、ショップ全体を囲むように作品を展示しています。ショップを見渡すと色々なところに作品が顔を覗かせています。ショップならではの空間の中で、成田さんの動物たちをどうぞご覧ください。
GWなどご旅行の際はぜひご来館をお待ちしております。

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「成田淑恵 展-YOSHIE NARITA EXHIBITION-」
展示会期:2017/4/26~6/5
※営業時間、休館は美術館の営業に準じます。

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