ショップトピックス

レオナルド・ダ・ヴィンチ 木製科学模型

<500年前の発明を再現!>

美術、音楽、数学、植物学、天文学、地理学、工学・・・ありとあらゆる分野において類まれなる才能を発揮した歴史的な奇才、レオナルド・ダ・ヴィンチ。「万能人」とも言われていたそうです。
15世紀後半、かの有名な名画に始まり、天才的な発想で時代を先取りした発明品の数々が生み出されました。工学、機械学に関する彼の功績は特に有名で、現実的、非現実的な創案がなされたデッサンが今でも残されています。
現在、当店では展覧会「アートはサイエンス」にちなんでダ・ヴィンチの設計図をもとに作られた機械具の模型キットを販売しています。本日は、その4点ご紹介いたします。

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カタパルト
カタパルトとは投石機のことで、石を勢いよく飛ばして敵の領地や建物を攻撃する兵器として使用されていました。ダ・ヴィンチは、当時既に存在していたカタパルトの威力や飛行距離を改良しようと試みたようです。元々使われていたカタパルトには、“ねじれ式”という弾性を利用して石を遠くに飛ばす原理を用いていたようですが、ダ・ヴィンチはこれを“バネ式”にしてより威力を巨大なものにしようと考えました。しかし、バネ式はねじれ式よりも威力が劣っており、加えてコストもかかることから効果的な発明とは言えなかったようです。

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ヘリコプター
こちらはダ・ヴィンチの素描のなかでも特に有名なもので、現在のヘリコプターの原型になったとも言われています。円形の台座に人間が乗り込んでメリーゴーランドの様にクルクルと走りながらスクリューを回し、回転するらせん状のプロペラによって宙に浮くことを想像したのでしょう。しかし、当時は材料に木材や布などしか利用できず、軽くて丈夫な機体を作ることが出来なかったため、上昇することは叶わなかったようです。ともあれ、約500年以上も前に、「空を飛ぶ」というアイディアがダ・ヴィンチにあったことに驚きです。

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鳥型羽ばたき飛行機
ヘリコプターと同様、空を飛ぶことを夢見たダ・ヴィンチが考えたこちら。ヘリコプターの失敗からさまざまな思考を巡らせた彼は、鳥を観察して人間がうつ伏せになり足踏み式に足の力で主翼を動かすことを考えました。鳥の飛翔のメカニズムを細かく分析して考えられたようですが、これもまた現実的ではなく実用化までには至りませんでした。もし、この発案が当時成功していたら、現在の私達の生活はどう変わっていたのか・・・と考えるととても興味深いですね。

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釘を一本も使わない橋
最後はこちら。アーチ状になっていますが、実は釘を一本も使っておらず、それぞれの柱が支え合いながら自立する設計になっています。もちろん、模型キットの再現バージョンも接着剤などでは固定せずに組み立てます。パズル性があってハマるかも!?

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いかがでしたでしょうか?この中に挑戦してみたいものはありましたか?
模型キットに関連したこちら・・・発明スケッチ32枚を分析した、CGによる完全復元をまとめた書籍「ダ・ヴィンチ 天才の仕事」もおすすめです!ぜひこの機会にダ・ヴィンチの世界に触れてみてください。


「ポストカード・ラボ・プロジェクト」第4弾

昨年11月から始まった、様々なアーティストのポストカードを約2ヶ月毎に入替で展開していくこの企画。第4弾は6月25日(日)まで開催予定です。※火曜休館
イベントでは、期間ごとに12名のアーティストが参加。90種類に及ぶポストカードはどれも個性的できっとお気に入りの一枚が見つかるハズです!

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今回の出展作家は下記の12名(順不同、敬称略)
みいのすけ、STRAWBERRY RABBIT、まりも、かおかおパンダ、名和香代子、イシイヨシト、黑山、小栗麗加、Natsuki Wakita、Kana Shimao、cokets. 、すぎはらゆり

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その中で個人的に気になるのは、かおかおパンダさん。
様々な画材を使って描いているというその作品は、とてもカラフルで明るい印象を与えてくれます。画面は大胆で力強いタッチで描かれ、ポストカードサイズでもその魅力を感じることが出来るでしょう。モチーフには動物やお花、太陽など、作家曰く自身にエネルギーを与えてくれる存在を描いているそうです。特に動物など生きもの達の表情が豊かで、見ていると元気を分けてもらえる気がします。
ちなみに、裏面にも表の絵を拡大した一部分が文字を書くのに邪魔にならない程度に、うっすら印刷されています。オモテ面の雰囲気を損なわない形でうまくデザインされています。

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全て紹介しきれませんが、その他のポストカードも素敵な物がいっぱいです。
このイベントと合わせてポストカードフレームをお得に購入できる企画も当館独自に実施していますので、ぜひこの機会にポストカードを買ってみては如何でしょう!


成田淑恵 展 -二つの動物画-

4月26日より、GWにも向けた新たなChallengeWall企画として、「成田淑恵 展」がスタートいたしました。成田さんは岐阜県出身。動物をモチーフとした作品を描き、2016年の上野の森美術館大賞展では優秀賞を受賞した期待の女流作家さんです。

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今展では約20点近い作品を展示しておりますが、その中でも一番の注目は、100号の大作「VOICE」だと思います。こちらは上記優秀賞を受賞した作品と同じタイトルの連作であり、サイをモチーフとしています。
キャンバスはモノクロで表現され、画面いっぱいに大きく描かれたサイ。その体には、成田さんがショックを受けた近年の自然災害や痛ましい出来事の記憶が刻まれています。角は噴火した火山、胴体には津波とそれに飲み込まれる街並み、足には売買目的のために角を折られたサイ。
今までは純粋でたくましく伸び伸びと生きる動物の姿を、暖かみのあるカラフルな色調で描いてきた成田さん。しかし、大きな災害によって、命の尊さ、それがいずれ尽きる物と改めて実感したことで、限られた人生の中で、人として、そして作家として何を残せるのかを考え生まれたのが、このモノクロのシリーズです。
動物のありのままの美しい姿を描くことから、動物の姿を通して、自身の心が大きく揺さぶられた出来事へ感じた「想い」を込めて制作された新たな境地となる作品です。

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今展では、その陰と陽とも表現できる、それぞれの作品をご覧いただけます。
決してモノクロの作品が新しい作品という訳でなく、本来の制作スタイルである純粋に動物の姿を描くことにも精力的であり、今展用に新たな新作も制作いただいています。
特にブタの作品が今展は多く、チラシのオモテ面にも起用していますが、何とも優しさに溢れた表情が印象的です。数点は0号~SMサイズの小品ながら、小さな画面の中に細かい描写と多彩な技法が感じられます。
また、成田さんは公募展を中心に作家活動を行っていたことから小品の制作自体がまだ少ないため、そういった意味でも貴重な機会と言えます。

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今回はショップをより広く使い、通常の展示スペースだけでなく、ショップ全体を囲むように作品を展示しています。ショップを見渡すと色々なところに作品が顔を覗かせています。ショップならではの空間の中で、成田さんの動物たちをどうぞご覧ください。
GWなどご旅行の際はぜひご来館をお待ちしております。

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「成田淑恵 展-YOSHIE NARITA EXHIBITION-」
展示会期:2017/4/26~6/5
※営業時間、休館は美術館の営業に準じます。