ショップトピックス

展覧会「シュルレアリスムとその展開」公式図録

こちらは、2016年10月15日~2017年4月9日まで開催の企画展「シュルレアリスムとその展開 マックス・エルンスト 上原木呂 特別招待:ヤン・シュヴァンクマイエル」の公式図録です。全117ページ。全て日本語、英語表記で掲載されています。

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“ホンモノの現実はどこにあるのか?”
第一次世界大戦直後、フロイトによる深層心理の発見をカギとし、無意識の中に人間本来の創造力を見出したのがシュルレアリスム(超現実主義)です。上原木呂は瀧口修造に出会い、マックス・エルンストに衝撃を受け、シュルレアリスムの本質を追究し続けてきました。

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本書では、エルンストのコラージュ・ロマン(コラージュ小説)のハイライトに始まり、上原木呂の19世紀銅版画挿絵を素材とした白黒コラージュ、本物の浮世絵や明治~大正のチラシ・現代の雑誌を素材とした極彩色のコラージュ、そして現在取り組む抽象表現―墨を付けたコンニャクを和紙に押し付けて描く《蒟蒻大藝術》や《畳フロッタージュ》をカラー図版でご紹介。さらに、チェコ・アニメーションの巨匠、ヤン・シュヴァンクマイエルの特別ページも。3人のシュルレアリストによる実践の日々をご覧ください。

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“デザインに走らずに、絵にしようと思わずに。結果的に絵になっていけばいいので。” 上原木呂
上原木呂とのインタビューも本書の見どころの一つ。上原本人から伺った貴重な話が盛り込まれた内容になっており、作品に込められた思いやその制作過程、個性も垣間見えるエピソードに触れることができます。さらには、上原独自の抽象表現方法の解説もあり、上原の作品を含めた本展をより身近に感じることができそうです。

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本書は電話注文、もしくは当館のヤフーオンラインストアでお買い求めいただけます。
ご質問等ございましたらお気軽にミュージアムショップ担当までお問合せくださいませ。
Tell:0267-46-8691
担当:小山、宮坂、髙浦


最近のKaNAMのオリジナルグッズ

当店ではさまざまな楽しいユニークなミュージアムグッズを取り扱うと共に、軽井沢ニューアートミュージアム(KaNAM)でしか手に入らないオリジナルグッズのラインナップも徐々に増えつつあります。先日ご紹介させて頂いたカベリーニトートバッグに続き、カベリーニTシャツも完成いたしました!

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トートバッグと同じく、芸術家、G.A.カベリーニ(1914-1990)の作品がデザインされたTシャツです。(G.A.カベリーニの解説は下記にて当館学芸が解説しております!)こちらも赤と白の2種類をご用意いたしました。着丈68cm、身丈50cm、袖丈20cmとゆったりサイズ。男性、女性問わず着て頂けるサイズ感に仕上がっています。当館のヤフーオンラインショッピングにも出展しておりますので、ご興味ある方はぜひチェックを!

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また、4月9日(日)で会期が終了した「シュルレアリスムとその展開」展のオリジナルグッズも引き続き販売中です!ドイツ人画家でシュルレアリスムを代表する一人であるマックス・エルンストのコラージュ・ロマン『百頭女』に衝撃を受け、日本でシュルレアリスムの本質を追究し続けてきた上原木呂氏の作品がデザインされたTシャツとトートバッグ。KaNAM限定オリジナルデザインです。こちらもカベリーニグッズと同じく、オンラインストアで購入が可能となっています。

~G.A.カベリーニ(1914-1990)とは?~       解説:学芸員主任 鈴木
郵便システムを利用した芸術『メールアート』。現在も世界中のメールアーティストたちがネットワークを作り、メール(作品)の交換を行っています。イタリアの芸術家であり、メールアートの王様、カベリーニは生涯を通して徹底したメールアート活動を行いました。世界中のアーティストに何千何万枚と送られたカベリーニのシンボル・ステッカーをはじめ、そのステッカーを全身に貼ったパフォーマンス。他にも自分の伝記をひたすら書く行為や、偉人たち(ダヴィンチやゴッホなど)に手紙を出す行為など、彼の芸術は自分自身の強烈なアピールでもあったのです。

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その代表作のひとつでもあるこの『牛のシール』には、同年代を象徴する20人の超有名な芸術家たちと共に彼の名前も刻まれています。デュシャンやフォンタナはロースやサーロイン、ピカソはカルビでしょうか。偉業を成した者ほど有名な部位に位置付けられているようです。そのような中、彼自身は最高級部位フィレ。

皮肉とユーモアにあふれ、そして自己主張を忘れないカベリーニのメールアート作品は今も伝説として語り継がれています。

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悠久の森のオカピ ~100の視点から~

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1. 世界三大珍獣はジャイアントパンダ、コビトカバ、オカピ
2. みんなの人気者ジャイアントパンダと、知っている人は知っているレベルのオカピ
3. パンダは白と黒の野生界のハイセンスデザイン、下半身だけストライプのオカピ
4. 全身ストライプのシマウマに圧倒的に負ける存在感のオカピ
5. 「なんかシマウマっぽい」って言われるオカピ
6. でも実際はシマウマじゃなくキリンの仲間のオカピ
7. あきらかにコミカルなコビトカバと、いたって普通の風体のオカピ
8. 最近ではボンゴを加えて世界四大珍獣
9. 角がかっこいいボンゴと、あっ変な角ある…のオカピ
10. カモノハシを加えて世界五大珍獣ってのもある
11. どう考えてもカモノハシがTHE珍獣の大本命
12. パンダはデザイン重視のクマだし、コビトカバは小さいカバだし
13. 身体の構造的、進化論的に断トツで“珍”なのは、やはりカモノハシ
14. そもそもこういうとき比較対象にも挙がらないのがオカピ
15. そんなオカピはアフリカ中央部、コンゴ民主共和国にのみ生息
16. イトゥリの森の奥深くにひっそりと暮らしている
17. それは国立公園、オカピ野生生物保護区にある
18. オカピの名を冠したその地区はユネスコの世界遺産に登録された
19. とても大切に守られているオカピ
20. オカピはめったに姿を見せないから、幻の動物でもあるらしい
21. ちなみに発見されたのは20世紀に入ってから
22. 発見されたのが遅いのは、地味だからなんじゃないか
23. 実はずっといたんだけどね
24. 森で見かけて、一瞬「あっシマウマだっ」ってなるかもしれないけど
25. すぐに「なんだオカピか…」ってなるに違いない
26. というか「何あれ…?」ってなる可能性の方が高そう
27. 実際に昔はシマウマと何かしらの他の草食動物とのミックスだと思われてたみたい
28. だから新種の個体だと気付かれたのが遅いそう
29. 本当か?言いわけか?単純に興味がなかっただけじゃないのか?
30. それでいいのか動物学者よ
31. すでにハンターは気付いていた、そんなオカピの存在を
32. だからいつのまにか大量に狩られてて、レッドリスト(絶滅危惧種)入り
33. ウガンダのオカピはすでに絶滅
34. So, you don’t have to worry, worry,守ってあげたい動物、それはオカピ
35. ところで、あなたはクアッガをご存じ?
36. 頭から首にかけて白黒ストライプで胴体は茶色いやつです
37. 知らないのも無理はありません
38. もう絶滅していますから
39. オカピとは真逆のカラーリングのこいつはシマウマの仲間
40. オカピとクアッガは他人同士です
41. しかもクアッガ絶滅が1883年、オカピ発見が1900年なので
42. 人類史上でこの2種の動物が出会ったことはありません
43. あくまでも人類基準ですが、、
44. さてさてその人類ですが
45. 新生代第三期あたりに誕生したと言ってもいいとか、いけないとか
46. 霊長類霊長目ヒト科というやつです
47. ゴリラとかチンパンジーとかオランウータンの祖ですね
48. この時点で、すでにいましたオカピは
49. 約1千万年前からその姿を変えずにいたんですオカピは
50. 深い深い森の奥で暮らしてきたそうです
51. 一千万年前、人類はまだ猿でしたが、オカピは、もうオカピでした
52. アウストラロピテクスは400万年前の最初期の人類とされていますが
53. すでにいました、オカピは、オカピのままで
54. 森の奥に、
55. 200万年前、石器を使ったとされる初めてのヒト属ホモ・ハビリスが現れました
56. 原始人がアフリカを越えてアジアにまで広がったのは180万年前、
57. 北京原人が初めて火を使ったのなんて50万年前です
58. その間もずっとずっといるんですよ、オカピは
59. ずっと、森に
60. 旧人類ネアンデルタール人は約35万年前から2万年前まで長く進化を続けたけど
61. 安心してください、いますよ、オカピは
62. きっと、森に
63. クロマニョン人がラスコーの洞窟壁画を描いたのは1万5千年前で
64. 壁画にはシカやウシは刻まれ、オカピは描かれなかったけど
65. ほら、いましたよ、森の中に
66. その後、人類は文明社会を築き発展し、様々な文化を生み出し、
67. 争いを繰り返し、科学を進歩させ、宇宙時代が幕開けて、
68. 今では地球という星を飛び出し、火星にロケットを飛ばしています
69. 火星にオカピはいないというのに…
70. オカピがいるのは地球の、アフリカ大陸の、真ん中ら辺の、森なのに
71. これからの未来、人類は自らの生活を豊かにするために進歩を続けることでしょう
72. 地球を、大地を、自然を、オカピを犠牲にして
73. 人類がこのような進化を遂げてきた1千万年という、想像もできないほど長い時間
74. 同じく哺乳類をはじめとする様々な生物が誕生し、絶滅し、進化してきました
75. まさに壮大な生物の奇跡の物語です
76. その間、オカピは悠久の時間を生きてきました
77. オカピはオカピであり、何物にもならず
78. ただひたすらに森にいました
79. 森に
80. そんな「生きた化石」それがオカピ
81. 有名な「生きた化石」といえばシーラカンス、カブトガニ、オウムガイなど
82. みんな太古の姿のまま生き続けています
83. あきらかに恐竜時代からいそうなフォルム
84. 何千何万もの生き物が土地や気候、環境に合わせて進化を繰り返していた時
85. 「生きた化石」と呼ばれる彼らはすでに完成されていたのです
86. オカピも1千万年前にはすでに完成された生物であったということ
87. なぜいち早く完成できたのかというと
88. 森から出なかったからでしょう
89. ずっと森にいたから特に環境に変化もなく、進化の必要もなく
90. そのまんまオカピ
91. さて、やや話は戻りますがオカピはキリンの仲間であると申しましたが
92. お忘れですか?6.でのお話ですよ
93. 正確にはオカピは、キリンの祖先にあたる存在です
94. キリンは高い木の枝の葉っぱを食べるために首が伸びたといいますが
95. あいつら、森を出たオカピなんです
96. 森を出ちゃうから、食べ物探しに苦労して
97. 首を伸ばす、足を伸ばすという、究極の進化を遂げたのです
98. 出なければよかったのに
99. だからキリンという、サバンナを代表するかのようなあの生き物の本当の名は
100. 超オカピなのです。

ぽれぽれのオカピ、おすすめです。
もちろん超オカピもおすすめですよ。

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