【MUSEUM】「自然と対話する 花田和治の世界」展のご紹介 展示室2
開催中の企画展「自然と対話する 花田和治の世界」展を展示室ごとにご紹介します。
展示室2 身の回りの景色
東京藝術大学大学院卒業後、ヨーロッパから帰国して取り組んだのは目の前にある身近なものをテーマに4つの色面で構成した連作です。カラフルな配色、極限まで単純化されたフォルムといったその後に様々な形で展開される花田芸術のスタイルはすでにこの時期に出来上がっていたようです。
夜から朝へ広がる風景
身の回りの様々なものを4色の四角形で表現した作品は少しずつ広がりを見せて行き、沢山の四角形で展開する作品が作られ、このスタイルは終生続くことになります。
その後、夜の闇のような暗く、荒々しい「森へ」の連作が始まります。30代に描かれたこれらの暗いアクション的な絵画表現のあとには、花田の代表作ともいえる自然をモチーフにした美しい作品群が展開されていきます。
《ベレーⅡ》
初期の代表作ともいえるシリーズの1作。このシリーズについて花田は「明快な色彩表現と物質感を主題とした“場の絵画”」であると述べています。
言い換えるなら「色や画面構成を、これ以上ないくらいシンプルにした作品が、どこまで展示される場所に訴えかけるか挑戦している」といったところでしょうか。
花田の初期の作品はこのように色数を限定して見せる作風が多いのですが、実はアトリエに残された絵の具は250種類にものぼり、かなりたくさん所持していたそうです。試行錯誤しながら、色を重ね、これぞという色を決めていったのかもしれません。
花田和治「ベレーⅡ」1975年 油彩・キャンバス 90.8×72.8㎝
○「花田和治の世界」展を360°カメラで撮影しました!
花田和治の世界「自然と対話する」展 360°Gallery
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花田和治の世界「自然と対話する」