第2展示室の身体性につながる芸術表現と対比する形で、第3展示室では、「精神」や「頭脳」によって生まれるアイデアやイメージがどのように表現されているのかを多様な方法論を通じてご紹介したいと考えています。
永島京子は時間を作品に取り込む方法論を常に模索している作家でレンチキュラーという素材により、時間の推移を一つの画面の中に取り込むことを実現しています。
AUTOMOAIの作品は、顔のない人物を様々な空間に配置し、活動させることにより、現代社会の中に潜む狂気や悪夢を視覚の拡張と膨大なイメージで表現し、見るものを圧倒する迫力を有しています。
塩見允枝子は1960年代のニューヨークでFLUXUSグループに参加し、歴史的に重要な作品を数多く発表しています。今回の展示では、詩と音楽作品が展示されますが、どちらも常識にとらわれない斬新な方法論で制作された作品です。
マヤ・デレンは戦後のアメリカで最初に実験映画を制作した一人として有名なアーティストです。上映する白黒のサイレント映像《At「Land》では、本人が主役として登場し、ドラマチックなカメラワークを通じて日常と夢が交錯する不思議な世界が描き出され、イメージの驚くべき展開を体験できます。
ギル・久野の“フリップドット”シリーズの《Namiura》からは、視覚にとどまらない聴覚での実験や機械が作り出すランダムな動きを使った表現を見ることができます。
