隈研吾 展示替えニュース!!

【「隈研吾:ランドスケープアーキテクチャー展」プロジェクトご紹介!】

1.竹屋(中国 2002年)

竹屋は中国、万里の長城の脇に立つ竹の魅力を最大限に生かしたホテル。竹を編み込むように組み上げることで、軽やかで柔らかな空間が生み出されています。地形を守りながら、その上に上下にうねるリニアな構築物を作る方法は、万里の長城の建て方からヒントを得ています。建物の中央には、水面に浮かぶようにして茶室が配置され、茶を飲むことを通じて、自然と人間が一体化するための空間として計画されました。
竹屋建築中に現場に届いた竹は、太さがバラバラで大きく曲がっているものばかりだったそう。これでは建築に使えないと思った隈氏でしたが、離れて見てみるとその歪さも面白く感じたそうです。結果、不規則な竹の隙間から柔らかな光が差し込み、自然にそっと馴染む空間づくりが可能となりました。

隈氏が大切にする「建築を消したい」という思いを体現した作品と言えます。

 

2.亀老山展望台(愛媛県 1994年)

亀老山展望台は、瀬戸内海の多島美を一望するこの地において「建築を消す」という隈研吾の建築理念を体現した作品です。設計にあたっては、景観保全と地形への負荷低減が重視され、斜面を切り崩すのではなく緩やかに傾斜に沿って展望スペースを配し、必要最低限のボリュームで構成されています。内部には屋根や壁が最小限に抑えられ、視界を遮るものはほとんどないので、360度見渡せる展望台となっています。山々と一体化し、そこに展望台があるとは一見すると分からないかもしれません。

建築はあくまでも背景となり、訪れる人々が眼前に広がる瀬戸内海の島々と向き合う「余白」を提供しているように感じられる作品です。