【隈研吾展、展示替え後 実は…】
展示替えにより、実は2種類の模型が縮尺の違うものに入れ替わっています。
1つ目は国立競技場でした。
2つ目はヴィクトリア&アルバートミュージアム ダンディー(V&A Dundee, 2018)をご紹介します。

ルーブル、グッゲンハイム、ポンピドゥーセンター、ヴィクトリア&アルバートに共通することは何でしょうか。
それはパリ、ニューヨーク、ロンドンの大都市にあり国をあげてのコレクションを誇る美術館であり、
国内外問わず一地方にそのコレクションを展示する分館を持つことです。その地方都市には建設後、
その分館をめざして沢山の観光客が訪れることが見込まれ、文化の発信地として都市の復興に貢献しています。
そしてこのV&A Dundeeも例外ではありません。
スコットランドを代表する港湾都市として栄えたダンディーは、
20世紀、倉庫群によって臨海部と都市とが分断されていました。その倉庫群を一掃し、
街と水辺、都市と自然とをつなぎ直そうという、大胆な郊外デザインの核として、このミュージアムは構想されました。
美術館のオープニングセレモニーにはこの地に縁のあるチャールズ皇太子とキャサリン妃の姿も見え、
新たなダンディーという街の門出を祝ったそうです。
元々ダンディーの南部を流れるテイ川のほとりに張り出すように建設することが条件だったこの建物の形は、
スコットランド北部の美しい崖から着想をえて造られているほか、建物の中央に貫通する洞窟のような孔は
日本の神社の鳥居をヒントとし自然の川と都市をつなぐ役割を担っています。
川と建築が融合した環境調和型、地形的建築の新しい形を具現化したものと言えます。
