花田和治の世界「自然と対話する」展 360°Gallery

○花田和治の世界2「自然と対話する」展を360°カメラで撮影した臨場感ある展示風景をぜひ、ご覧ください。

第1展示室:水辺に佇む
花田にとって海は特別なモチーフでした。
花田の家系をさかのぼると、明治時代にニシン漁で栄え、現在は重要文化財に指定されている「旧花田番屋」を建てた地元の網元であった花田家につながります。花田は自分のルーツを誇りに思い、それは海の恵みによって育まれたと考えていました。
この展示室では、花田がよく訪れ、愛した小樽近郊の海の風景を辿り、そこから生まれた様々な作品をその背景になる資料と併せて展示しています。

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第2展示室-1:身の回りの景色
東京芸術大学大学院終了後、ヨーロッパから帰国して取り組んだのは目の前にある身近なものをテーマに4つの色面で構成する連作です。
カラフルな配色、極限まで単純化されたフォルムといった後に様々な形で展開される花田芸術のスタイルは、すでにこの時期に出来上がっていたようです。
-2:夜から朝へ広がる風景
身の回りの様々なものを4色の四角形で表現した作品は少しずつ広がりをみせていき、やがてたくさんの四角形で展開する作品が作られました。このスタイルは終生続くことになります。その後、夜の闇のような暗く、荒々しい「森へ」の連作が始まります。30代に描かれたこれらの動的な絵画表現のあとには、花田の代表作ともいえる自然をモチーフにした美しい作品群が展開されていきます。

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第3展示室:人物・家族・風景
花田は生涯北海道の自然を愛し、多くの風景をモチーフとして制作したアーティストです。同時に学生時代の友人、美術講師として教えた生徒、北海道で抽象絵画を推進した同志といえる芸術家の友人や作品のファンなど、たくさんの人との出会いや、家族と過ごした日々などを題材に各時代で興味深いさまざまな作品を制作しました。

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第4展示室:自然を再構成する
花田は自然の風景をもとに多くの作品を制作してきました。初期の写実的な作風は変化して、大型のシンプルで美しい作品として完成に向かいます。初期の写実的な作風は変化して、大型のシンプルで美しい作品として完成に向かいます。この展示室では、完成した作品に併せて、そのもととなった下絵、デッサン、アイデアスケッチ、写真などを展示しています。
この展示室では、完成した作品に併せて、そのもととなった下絵、デッサン、アイデアスケッチ、写真などを展示しています。花田が見た風景は緻密に計算され、下絵はコンパスや定規で制作されており、自然の有機的なイメージは幾何学的にとらえられ再構成されています。この過程をみると、花田は感覚やイメージで作品を作るのではなく、理知的に構成や配色を考えて制作していたアーティストであることが分かります。

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第5展示室:アトリエの窓から広がる無限の世界
花田の文章にあるように、彼のアトリエには小さな窓がありました。この窓から芸術家は様々な空想を巡らしていきました。
残されたいくつかの作品を見ると、この小さな窓が無限の世界に通ずる入口となり、そこを通じて多様な世界が展開されていき、それらが様々な作品となって、見ている私たちの空想も膨らましていくように思います。

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第6展示室:ユーモアとポエジー
花田の幾何学的でクールともいえる作風は晩年になると少しずつ変化していきます。それまでは、目で見える風景や人物、物質などを独自のカラフルでシンプルなスタイルに再構成していましたが、2000年代になると、郷愁、ロマン、詩情、ユーモアを感じさせる作品群が制作されます。作家としての終盤に、思い出と愛情に満ちた作品が多く制作されたことは非常に素晴らしいことで、この時代の作品は花田芸術の到達点として長く記憶されるものであると言えるのではないでしょうか。

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©KARUIZAWA NEW ART MUSEUM

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