<エッフェル塔>(パリのセーヌ川周辺)・・・フランス パリ
エッフェル塔を含むパリのセーヌ川周辺は世界遺産として登録されたのは1991年。
意外と知られていないのは、エッフェル塔が単体で世界遺産になったのではなく、「パリのセーヌ川周辺」という括りで登録されているという事です。ノートルダム大聖堂・ルーブル美術館・凱旋門・コンコルド広場などと合わせて、世界文化遺産となっています。
造られたのは1889年。同年のフランス革命100周年を記念してパリで行われた第4回万国博覧会のために建造されました。万国博覧会に合わせての建造に伴い、1886年に建造のコンペティションが行われギュスターヴ・エッフェルの案が採用されたことで名前を冠した塔となりました。
万国博覧会の象徴として建てられましたが、1909年に一度解体案が出されたことも。しかし、その後はアンテナが備えられ、現在は電波塔としての役割も果たしています。
また、中にはレストランや展望台があり、完成から2006年までに2億人以上の観光客が訪れ、エッフェル塔は世界でもっとも多くの人が訪れた有料建造物となっているそうです。
<サグラダ・ファミリア>・・・スペイン バルセロナ
建築家アントニ・ガウディの建築物であり、今現在も建設中で知られるカトリック教会の教会堂です。2005年に世界文化遺産として登録されました。ガウディ没後100年目の2026年完成予定とされています。
ガウディが生きている間に制作できたのは、地下聖堂と東側のファサード(建築の正面のこと)だけであったそうです。更に、ガウディが詳細な設計図を残していなかったことや、当時の資料が消失してしまったことにより、ガウディの構想を忠実に再現することは不可能となりました。それでも、職人による技術の継承や現在は外観のデッサンなど残されたわずかな資料を元に、職人と建築家が構想を推測しながら建設が続いています。
作業の財源は寄付によって賄われており、当初は資金が不足していたため同時に多くの工事を行うことは出来ませんでしたが、観光客の増加や知名度が上がったことに伴い、財政状況が改善されました。また、スペインの経済成長や科学技術の進歩により、3D構造解析技術と3Dプリンターなどが導入されたことで、当初300年かかるとされていた制作期間を上記の2026年までと、大幅に短縮させることとなりました。完成が待ち遠しい!!
<コルコバードのキリスト像>(リオデジャネイロ:山と海の間のカリオッカの景観)
ブラジル リオデジャネイロ
ブラジルの大都市リオデジャネイロにある2012年に登録された世界文化遺産です。
当初は自然・文化の両面を持った複合遺産として推薦しましたが、不登録となったため、コルコバードの丘やコパカバーナ海岸など都市周辺の複数の景観が、人の手が加わって発達してきた文化的景観として世界文化遺産に登録されました。また、それを物語る話としての、リオデジャネイロの美しい景観は「世界三大美港」の一つとも言われるそうです。
構成資産の中でもコルコバードの丘は、巨大なキリスト像が立っていることで特に有名です。高さは30m、8mの台座の上に立っているこの巨大な像は、1931年にブラジル独立100周年を記念して建てられたものです。また、キリスト像が立つコルコバードの丘はチジュカ国立公園内の一部であり、この国立公園は「都市公園の森林の再造林では世界で最も成功した例の一つ」とされています。
コパカバーナはリゾート地としても知られ、白い砂浜が全長約4キロメートルにわたり続いているビーチは、コパカーナビーチと呼ばれ世界的に有名です。
ちなみに、リオデジャネイロはポルトガル語で「1月の川」を意味します。ポルトガル人探検家が1502年1月にグアナバラ湾に到着し、その際に湾口が狭まっているため大きな川であると誤認し、発見した月に因みポルトガル語で「一月の川」と命名されました。
<ケルン大聖堂>・・・ドイツ ケルン
ゴシック様式の建築物としては世界最大であり、ローマ・カトリック教会のミサがおこなわれている、ケルン大聖堂。1996年に世界文化遺産に登録されました。
現在の大聖堂は3代目であり、初代は4世紀ごろ、2代目は818年に完成しましたが、いずれも焼失し3代目の建設は2代目が焼失した1248年にすぐさま始まりました。しかし、16世紀に入り宗教改革の影響による財政難から建設が中断してしまい、再び始まったのは19世紀に入ってからだそうです。すべてが完成したのは1880年、632年後のことでした。
第二次世界大戦時中の空襲により内部や外観が大きく破損したため、その後復旧工事が行われました。その際に、大聖堂の南側の窓も破壊されてしまったため、現在はドイツの現代アーティスト「ゲルハルト・リヒター」によってデザインされたステンドグラスが採用されています。72色の正方形のガラスをモザイク状に配置した近代的なステンドグラスとなっており、この配置はコンピューター上でランダムでありながらも、最大限に意図した無秩序を生む配置となっているそうです。
<屋久島>・・・日本 鹿児島県
大変豊かな自然林の残る、日本が誇る世界自然遺産のひとつ。1993年に姫路城・法隆寺・白神山地と共に日本で初めて世界遺産に登録されました。
樹齢2000年を超えるとされる屋久島最大の杉の木は「縄文杉」と呼ばており、1000年以上の樹齢を持つ杉を「屋久杉」と呼ぶそうです。(ちなみに、1000年以下は「小杉」だそうです)17世紀ごろから薩摩藩によるヤクスギの伐採が本格化しましたが、樹齢1000年程度の巨木は年輪がゆがみ、製材に不向きであったため幸いにも伐採されず、現在も生きているものが多いそうです。
また、南端に位置する島で温暖な気候をイメージしますが、屋久島は島のほとんどが山地であり、1000m~1900m級の山々が連なっています。これらの山々に海からの湿った風がぶつかり、大雨をもたらし、屋久島は年間の雨量が日本一を誇るそうです。そのため、その気候によって生まれた自然林だけでなく、河川と滝が多いことでも知られています。
世界遺産登録後、入場者数の増加によりゴミやトイレ、登山道等の整備の遅れが問題となり、現在は登山客の制限や、入島料の徴収など自然保護に努めています。