概要
この度、軽井沢ニューアートミュージアム1Fギャラリー(ホワイトストーン)では、下田ひかりのホワイトストーンでは初となる個展「傷つき、壊れたものたちへ」を開催いたします。
現代美術作家下田ひかりは、日本のマンガやアニメの鮮やかな世界観に触発され、カラフルでイラストレーション的な視点を通して現代社会の諸問題に切り込みます。
下田は本展において、これまでの制作テーマである「生きる苦しさや孤独」を抱えながらも生き抜く姿を描いた作品と、新たに概念的な「金継ぎ」の要素を投影させた作品を合わせて20点展覧します。
以下、作家ステートメント
うつ病になり、絵が描けなくなって2年、何のきなしに金継ぎを趣味で始めた。それは樹脂を使って行う簡易的なものだったが、壊れたものを直す作業が楽しかった。
金継ぎの練習のためにわざと器をハンマーで割る事もある。その行為は、誰かを傷つけてしまったような罪悪感を持つ。
取り返しのつかない事をしてしまった、あの焦りや後悔。そしてその壊れた器を、今度は自分で直していく。ものによっては元よりもより良いもののように見える事もある。
器の壊れ方は様々で、直ったあとの姿は唯一無二のものに変わる。
私は今まで、生きる苦しさや孤独を抱えながらも生きていく事をテーマとして描いてきた。この苦しさを救うのは誰か。結局は死であったり、自分自身が耐えて変化していく事ではないか。
世界では絶えず争いが続き、それは現実でもネットでも深い分断を生み続けている。
どうしたら救われるのか。答えは出なかった。
テレビで争いのニュースを見つつ金継ぎをやりながら、「直していけばいいんじゃないか」と思った。
壊れたものは元に戻らない。傷付いた心も、体も、人々の関係も、多分なかった頃に戻る事はない。けれど、違う形に直していく事はできるんじゃないか。もしかしたら、それが救済の一つの形なのではないか。
そう思い、今回は今まで制作してきた苦しみの渦中にある作品と、金継ぎを絵に概念的に投影させた作品を並べる事とした。
タイトルの「ものたち」は、人の心、社会、世界など様々なものを意味している。
ー下田ひかり
現代美術作家下田ひかりは、日本のマンガやアニメの鮮やかな世界観に触発され、カラフルでイラストレーション的な視点を通して現代社会の諸問題に切り込みます。
下田は本展において、これまでの制作テーマである「生きる苦しさや孤独」を抱えながらも生き抜く姿を描いた作品と、新たに概念的な「金継ぎ」の要素を投影させた作品を合わせて20点展覧します。
以下、作家ステートメント
うつ病になり、絵が描けなくなって2年、何のきなしに金継ぎを趣味で始めた。それは樹脂を使って行う簡易的なものだったが、壊れたものを直す作業が楽しかった。
金継ぎの練習のためにわざと器をハンマーで割る事もある。その行為は、誰かを傷つけてしまったような罪悪感を持つ。
取り返しのつかない事をしてしまった、あの焦りや後悔。そしてその壊れた器を、今度は自分で直していく。ものによっては元よりもより良いもののように見える事もある。
器の壊れ方は様々で、直ったあとの姿は唯一無二のものに変わる。
私は今まで、生きる苦しさや孤独を抱えながらも生きていく事をテーマとして描いてきた。この苦しさを救うのは誰か。結局は死であったり、自分自身が耐えて変化していく事ではないか。
世界では絶えず争いが続き、それは現実でもネットでも深い分断を生み続けている。
どうしたら救われるのか。答えは出なかった。
テレビで争いのニュースを見つつ金継ぎをやりながら、「直していけばいいんじゃないか」と思った。
壊れたものは元に戻らない。傷付いた心も、体も、人々の関係も、多分なかった頃に戻る事はない。けれど、違う形に直していく事はできるんじゃないか。もしかしたら、それが救済の一つの形なのではないか。
そう思い、今回は今まで制作してきた苦しみの渦中にある作品と、金継ぎを絵に概念的に投影させた作品を並べる事とした。
タイトルの「ものたち」は、人の心、社会、世界など様々なものを意味している。
ー下田ひかり
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企画・主催
WHITESTONE Karuizawa
アーティスト情報
下田ひかり
1984年長野県生まれ。京都嵯峨芸術大学および青山塾でイラストレーションを学び、2008年に現代美術作家としてデビュー。
以来、日本、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ各地で作品を発表している。
現在、長野県を拠点に活動中。
日本のマンガやアニメに触発され、可愛らしさと恐怖が同居する世界を描き、現代社会の諸問題を探求する。
作品に登場する、子どもたちは、世界のもっとも弱い立場にあるものを守りたいという、人間の根源的な願望のメタファーである。彼らは、無垢さとファンタジーの対比を通じて、現代社会の複雑さを探求する存在でもある。虚ろな表情は見る者の絶望や孤独を映す鏡であり、救済と理解を求めながら制作を続けている。
作家略歴
【主な展示】個展
2024 現在地 / MEGUMI OGITAギャラリー(東京、日本)
2023 Questions for Living in the World / Corey Helford Gallery (ロサンゼルス、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)
2023 Pain and Wounds / Jaski Gallery (アムステルダム、オランダ)
2022 Fight to Live in the Void / Corey Helford Gallery (ロサンゼルス、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)
2021 天国にいる君へ/ BOOKMARC Japan (東京、日本)
グループ展
2025 つながる・ひろがる(越境・拡張する表現領域)/ 軽井沢ニューアートミュージアム (長野、日本)
2025 Hatsune Miku 16th Anniversary Exhibition / / OSAKA INTERNATIONAL ART 2025(大阪、日本)
2025 Dreamland Awaits / Corey Helford Gallery (ロサンゼルス、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)
2025 Mattel 80th Anniversary Exhibition / Corey Helford Gallery (ロサンゼルス、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)
2024 "Summer Editions" Print Show Group Exhibition / StolenSpace Gallery(ロンドン、イギリス)
2024 Care Bears Forever Group Show / Corey Helford Gallery (ロサンゼルス、カリフォルニア州、アメリカ合衆国)
2024 Hatsune Miku 16th Anniversary Exhibition / / PARCO渋谷店(東京、日本)
2023 Context MIAMI 2023 / Corey Helford Gallery booth (マイアミ、フロリダ州、アメリカ)
作品情報
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壊れたものたちへ#1/ 2025 /パネル、キャンバス、新聞、アクリル、油彩、金箔 / 116.7× 91cm ©︎2025 HIKARI SHIMODA -
骨を拾う/ 2025 /パネル、キャンバス、油彩 / 72.7×60.6cm ©︎2025 HIKARI SHIMODA -
Children of This Planet #72/ 2025 /パネル、綿布、油彩 / 41×31.8cm ©︎2025 HIKARI SHIMODA -
God Is Dead, But… #20/ 2025 /パネル、キャンバス、油彩 / 72.7×72.7cm ©︎2025 HIKARI SHIMODA
関連イベント
【オープニングレセプション】
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出演 :
下田ひかり -
日時 :
2025年12月13日(土)15:00~