概要
この度ホワイトストーン・ギャラリー軽井沢では、元永定正作品展を開催いたします。
日本が世界に誇る戦後の前衛美術家集団・具体美術協会(通称・具体/活動期間:1954~1972)。その初期を代表するアーティストであり、「がちゃがちゃどんどん」「もけらもけら」といった絵本作家としても知られる元永定正(1922-2011)。そのユーモアに満ちた画風は幅広い年齢層に支持されています。
今展では版画作品を中心に、希少な本画や立体作品など多岐にわたる作品を約45点展覧いたします。「アホ派」を自称し、誰もが楽しめる作品を描き続けた元永定正。そのリズミカルで軽快さに溢れる世界を、どうぞお楽しみください。
日本が世界に誇る戦後の前衛美術家集団・具体美術協会(通称・具体/活動期間:1954~1972)。その初期を代表するアーティストであり、「がちゃがちゃどんどん」「もけらもけら」といった絵本作家としても知られる元永定正(1922-2011)。そのユーモアに満ちた画風は幅広い年齢層に支持されています。
今展では版画作品を中心に、希少な本画や立体作品など多岐にわたる作品を約45点展覧いたします。「アホ派」を自称し、誰もが楽しめる作品を描き続けた元永定正。そのリズミカルで軽快さに溢れる世界を、どうぞお楽しみください。
アーティスト情報
元永定正(1922-2011)
具体初期を代表する作家のひとり。後年は絵本作家としても活躍し、そのユーモラスな画風が幅広い年齢層に認知された。具体美術協会には1955年から71年まで所属。着色した水をビニールに入れて吊るした「水の彫刻」に始まり、日本画の伝統的な画法「たらしこみ」の応用、アクリルをエアブラシで飛散させるなど革新的な技法を次々に展開。海外での発表も早くから行ない、1960年代にはマーサ・ジャクソン画廊(アメリカ)、トリノ芸術センター(イタリア)などと契約。トリノ・プレミオ・リソーネ国際展(作品買い上げ)、ヴェネツィア・ビエンナーレ、ソウル国際版画ビエンナーレなどで高い評価を得る。作家略歴
1922 年 三重県上野市に生まれる。1938 年 上野商業学校卒業、大阪へ出て機械工具店に勤務しながら漫画家を志す。
1939 年 上野に戻り、日本国有鉄道に入社。大阪市中之島洋画研究所に通う。
1944 年 濱邊萬吉に師事し、漫画家から洋画家に転向するきっかけになる。
1948 年 第1回三重県総合美術展において《人物》で奨励賞受賞。( 後の第 4 回展にて教育長賞受賞 )
1952 年 神戸市に転居。新聞拡張員やアイスクリームのセールスマンをしながら制作を続け、西宮市展に出品。
1953 年 第 6 回芦屋市展に《裸婦》を出品し、ホルべイン賞を受賞する。
1955 年 吉原治良に誘われ具体美術協会の会員となる。第 1 回具体美術展に参加(以後連続出品)。初期は工業素材を使った立体作品を試みたが、58 年ごろから日本画のたらし込みにヒントを得て、ドリッピング(飛沫)やボアリング(注ぎ描き)によるアンフォルメル画家として活躍。
1957 年 ミシェル・タピエが来日し、具体を通して交流が始まる。
1964 年 第 6 回現代日本美術展で優秀賞受賞。(1966 年の第 7 回展でも受賞)
1966 年 妻と共に渡米。ニューヨークにスタジオを借り、制作を始める。翌年、帰国。
1970 年 大阪万博のお祭り広場における音楽、デザインを担当。
1971 年 具体美術協会を退会。(翌年 3 月に具体美術協会解散)
第 10 回現代日本美術展で京都国立近代美術館賞受賞。
1973 年 絵を担当した絵本『The Pwoaan-Hwaan Cloud Family』(ラボ教育センター)を出版。 以後絵本作家としても活躍。
1980 年 国立国際美術館で開催の「現代美術 2、高松次郎、元永定正展」の初日に「煙」のハプニングを行う。
1983 年 第 2 回芸術文化振興協会賞、第 15 回日本芸術大賞
第 4 回ソウル国際版画ビエンナーレ、グランプリ受賞
1984 年 美術雑誌『芸術新潮』の表紙絵を担当する。(1988 年 12 月号まで)
元永定正・白髪一雄展(和歌山県立近代美術館)
1986 年 兵庫県文化賞受賞
1988 年 フランス政府により芸術文芸シュヴァリエ賞受賞。
1991 年 元永定正展(三重県立美術館)
前衛画家として初めて紫綬褒章を受章。大阪市民表彰受章
絵を担当した『もけら もけら』(福音書店)で第 14 回絵本にっぽん賞(現・日本絵本賞)を受賞。
1992 年 大阪芸術賞受賞
1993 年 第 45 回ヴェネツィアビエンナーレ-東方への道-に参加。
1997 年 勲四等旭日小綬章受章
2002 年 西宮市大谷記念美術館で「元永定正展」開催。三重県民功労賞文化賞受賞
2003 年 元永定正展 いろかたちながれあふれててんらんかい(広島市現代美術館)
2006 年 元永定正の創作の世界 いろ・かたち・せん・ことばとあそぶ展(練馬区立美術館)
2009 年 元永定正展(三重県立美術館)
2011 年 10 月 3 日前立腺癌のため宝塚市の病院で死去。( 満 88 歳)
2012 年 「『具体』-ニッポンの前衛 18 年の軌跡」( 国立新美術館・東京 )
2013 年 ニューヨークのグッゲンハイム美術館での「具体:素晴らしい遊び場所展」において、吹き抜け部分にて1956 年に野外具体美術展で発表した《作品 ( 水)》を再構想し、コミッション作品として展示。
2015 年 「アクションと未知の間でー白髪一雄と元永定正」( ダラス美術館 )
2018 年 「元永定正展 おどりだすいろんないろとかたちたち」(清須市はるひ美術館)
2020 年 「今こそGUTAI 県美(ケンビ)の具体コレクション」(兵庫県立美術館)