概要
この度Whitestone Gallery Karuizawaでは、西村有紀子の初個展「YN」を開催いたします。今展で現代アーティストとしての華々しいデビューを飾る西村は、ウエディングドレス・ブランドAr.YUKIKOを全国展開しているウェディングドレス・デザイナーとして知られています。また、ミス・インターナショナルのジャパン・オフィシャル・デザイナーを13年間務め、デザインしたドレスを着用した日本代表が世界大会でグランプリを受賞するなど華やかな注目を集めてきました。デザイナーとして日々女性や花嫁たちと関わり、妊娠などの女性特有の身体的変化を身近に接するうちに、生命の誕生にまつわる様々な体験や感情、誕生のシーンについて表現したいと願うようになります。現代アートへ乗り出す契機でした。服飾で培った体験を活かす一方、古代文字の書家としても評価されてきた西村は、今展では単なる象形としての古代文字を超えた独自の解釈を用いたアート作品も発表します。古代と現代、東洋と西洋、男性と女性という相対概念ではなく、「ジェンダーのヒエラルキーを超えた死生観および宗教観」を表現すべく制作された30点もの作品たち。現代アーティスト西村有紀子の貴重な第一歩となる展覧会をご高覧くださいますようご案内申し上げます。
作家からのメッセージ
なぜキリスト教における聖母マリアは処女受胎でならなければならなかったのか。婚前交渉を禁止する教義において【純潔】という言葉がしばしば用いられるが、なぜ非処女は純潔でないのか。
日本の神道に由来する民俗学的見地からも、日本では生理中の女性を別棟の小屋に隔離する風習があり、女性の経血は【血の穢れ】とされ、他の者に穢れが移らぬよう、生理中の女性の住居は隔離されてきた。出産時においても同様で別棟で出産をし、隔離され【血の穢れ】は忌み嫌われてきたのだ。
純潔とは?穢れとは?それらの価値観は誰によって作られ、刷り込まれてきたのか。
私たちの先祖であるBiologyとしてのサピエンスが政治や宗教の影響を受けることなく在していたころは、生物学的に雄と雌がいただけであり、そこに何のヒエラルキーも存在
していなかった。ただ種の保存と子孫繁栄のために命を育むための性行為があり、脈々と命が繋がれてきた。
しかし、世の為政者達は治世のために宗教を利用し、あらゆる宗教の発生とともに性を通しての女性の劣等性や男性への隷属を示すためのジェンダーのヒエラルキーを確立させた。そうしてその後の宗教活動を通して、彼らは性的行動(セクシャリティ)を隠避すると同時に生命の誕生に関する美しきポテンシャルを汚らわしいものに貶める必要性があり、それを遂行したのだ。
私は、意図的にあらゆる宗教、政治のために作られたジェンダーのヒエラルキーによって欠落させられてしまった、宗教史以前の生命の美しきポテンシャルに着目し、生命誕生に直結するセクシャリティの本来の意味をアートを手段として訴え、証明する。
ジェンダーのヒエラルキーに左右されない、穢れなどない、愛する人とセクシャルなパワーを交換し合い、生まれ持ったBiologicalなパワーで、今人類を幸せに導く時がやってきたと考える。
信頼感を失った世界情勢。Biologicalな立場からポール・ザック博士によれば、人間同士の信頼感を向上させる物質は脳から分泌されるオキシトシンである。信頼ホルモンと言われるオキシトシンが最も分泌されるのはSEXをしている時だ。そしてレイプや虐待的なSEXではオキシトシンは分泌されず、その後もそれらを経験した女性はオキシトシンを分泌しなくなる。
世界をこれから信頼に満ち溢れた平和に導いて行くものは、私達自身が、私達自身の中に持っていながら、長い歴史の中で表出させることが出来なかったヒエラルキーのない愛を開放して生きること。それこそがこれからの宗教観、死生観であり、過去に取って代わるものなのだ。
2017年10月 西村有紀子
日本の神道に由来する民俗学的見地からも、日本では生理中の女性を別棟の小屋に隔離する風習があり、女性の経血は【血の穢れ】とされ、他の者に穢れが移らぬよう、生理中の女性の住居は隔離されてきた。出産時においても同様で別棟で出産をし、隔離され【血の穢れ】は忌み嫌われてきたのだ。
純潔とは?穢れとは?それらの価値観は誰によって作られ、刷り込まれてきたのか。
私たちの先祖であるBiologyとしてのサピエンスが政治や宗教の影響を受けることなく在していたころは、生物学的に雄と雌がいただけであり、そこに何のヒエラルキーも存在
していなかった。ただ種の保存と子孫繁栄のために命を育むための性行為があり、脈々と命が繋がれてきた。
しかし、世の為政者達は治世のために宗教を利用し、あらゆる宗教の発生とともに性を通しての女性の劣等性や男性への隷属を示すためのジェンダーのヒエラルキーを確立させた。そうしてその後の宗教活動を通して、彼らは性的行動(セクシャリティ)を隠避すると同時に生命の誕生に関する美しきポテンシャルを汚らわしいものに貶める必要性があり、それを遂行したのだ。
私は、意図的にあらゆる宗教、政治のために作られたジェンダーのヒエラルキーによって欠落させられてしまった、宗教史以前の生命の美しきポテンシャルに着目し、生命誕生に直結するセクシャリティの本来の意味をアートを手段として訴え、証明する。
ジェンダーのヒエラルキーに左右されない、穢れなどない、愛する人とセクシャルなパワーを交換し合い、生まれ持ったBiologicalなパワーで、今人類を幸せに導く時がやってきたと考える。
信頼感を失った世界情勢。Biologicalな立場からポール・ザック博士によれば、人間同士の信頼感を向上させる物質は脳から分泌されるオキシトシンである。信頼ホルモンと言われるオキシトシンが最も分泌されるのはSEXをしている時だ。そしてレイプや虐待的なSEXではオキシトシンは分泌されず、その後もそれらを経験した女性はオキシトシンを分泌しなくなる。
世界をこれから信頼に満ち溢れた平和に導いて行くものは、私達自身が、私達自身の中に持っていながら、長い歴史の中で表出させることが出来なかったヒエラルキーのない愛を開放して生きること。それこそがこれからの宗教観、死生観であり、過去に取って代わるものなのだ。
2017年10月 西村有紀子
アーティスト情報
西村有紀子
現代アーティスト、書家。また、ウエディングドレスブランドAr.YUKIKOを全国展開。ミスインターナショナルのジャパンオフィシャルデザイナーを13年間務め、デザインしたドレスを着用したミスインターナショナル日本代表が世界大会でグランプリを受賞するなどファッションデザイナーとしても活躍。作家略歴
2015年 第57回 全国書道展 金賞受賞2016年 日本•フランス現代美術世界展、国立新美術館、入選
2016年 国際美術大賞展 東京都美術館 入選
2016年 第49回イタリア美術賞展 シチリア島、特別推薦獲得
2016年 現代芸術家大賞 受賞 前衛書 絵画両部門
2016年 近代日本美術協会展 東京都美術館 東葉商事賞 受賞
2017年 第20回エイズチャリティー美術展 国立新美術館 書の部門で精鋭作家に選抜
2017年 第8回世界平和芸術家協会展 シアター1010 美術選奨優秀賞 受賞
2017年 第41回國美藝術展 東京都美術館 アート部門國美藝術展理事長奨励賞 書部門 國美藝術展審査員長特別賞 受賞
2017年 第3回グレートリープ選抜展 目黒区美術館 特別奨励賞 受賞
2017年 個展 軽井沢ニューアートミュージアム