概要
飽きることのない大量消費の果てに待ち受ける風景から私たちを目隠しするかのように、今日も幾千の商品デザインはクールに、ポップに、扇情的に日常を彩っています。消費者であり観客である私たちは、視覚や聴覚を通じてそれらを体験するだけでなく、愛らしいキャラクターと共に入念にパッケージデザインされたアイスキャンディーの甘さを心ゆくまで味わった後、効率的な消化を目指した形状の薬品カプセルを嚥下して内蔵の調子を整えようとします。言うなればそれは、デザインを飲み込み血肉にすら変える、「大量消費社会のイコンを自らの肉体にする世代」なのです。
「カワイイ、クール、ちょっとヘン」などという言葉達で表される現代日本人の姿をキッチュに、大胆に表現する内田有。素材を見事に操る表現の豊かさ、内包される注意喚起の見事な調和を是非ご高覧ください。
「カワイイ、クール、ちょっとヘン」などという言葉達で表される現代日本人の姿をキッチュに、大胆に表現する内田有。素材を見事に操る表現の豊かさ、内包される注意喚起の見事な調和を是非ご高覧ください。
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企画・主催
一般財団法人 軽井沢ニューアートミュージアム
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協力
FOGHORN
作家からのメッセージ
今回の個展「pop junky/ポップ・ジャンキー」では、3.11という歴史的なターニングポイントの後もなお貪欲に大量消費を続ける私たちの傲岸さ、無神経さ、そして何を犠牲にしても、決して楽しむことを止めない「業」こそが社会を回転させ続けている実情を描きたいと考えました。エネルギーの問題を含め、理想的な未来図はなかなか見えて来ません。それは等身大の人間を見つめ直すことからしか想像が叶わないもののはずであり、そのために、私たちは自らを現在の形に導いた大量消費を象徴するデザインに意識的であらねばならず、その根底にある、ポップさを中毒的に楽しむ「美しくも醜い」心の有り様に向かい合わねばならないでしょう。
アーティスト情報
作家略歴
東京都生まれ2007 東京藝術大学 美術学部 工芸学科 鋳金専攻 卒業
2009 University for the Creative Arts(イギリス)
BA (Hons) Three Dimensional Design -Glass 留学
North Lands Creative Glass (スコットランド)
Master Classes 2009: KAFFE FASSETT AND STEVE KLEIN: 'Colour and Texture' 参加
2011 東京藝術大学院 美術研究科 工芸専攻 ガラス造形研究室 卒業
主な展覧会
2014 「ART OSAKA 2014」 ホテルグランヴィア大阪(大阪)
「GOODBYE TRADITIONS!」 MICHEKO GALERIE(ミュンヘン)
「Art fair C-DEPOT Shapes of heart」 西武渋谷店美術画廊 (東京)
「KOWAII Ⅳ」 art data bank (東京)
2013 「Solo Exhibition」 伊勢丹新宿本店美術画廊 ウィンドウ内 (東京)
米文具ブランド「CROSS」とのコラボ展「Cool it × CROSS」
銀座三越/日本橋高島屋/新宿高島屋/難波高島屋/京都大丸(東京・大阪・京都)
「神戸アートマルシェ」 メリケンパークオリエンタルホテル(神戸)
「ART NAGOYA」 WESTIN NAGOYA CASTLE (名古屋)
「KENZAN」 タワーホール船堀(東京)
2012 「lolipop ichi」 Gallery Shorewood (東京)
「 Cool it 」 UNITED ARROWS CAFE (東京)
「Emerging Directors' Art Fair: ULTRA 005」 spiral (東京)