概要
東京藝術大学美術学部工芸科は1975年に工芸科とデザイン科に分かれ、大藪雅孝はデザイン科の主任教授として半世紀にわたり、画家活動と同時に後進の育成に邁進した。大藪の指導を受けた学生は数百名におよび、現在も国内外のさまざまなジャンルで幅広く活躍している。戦後の混乱が終息に向かい、前衛美術運動が盛んだった1960年代には、真摯に新しい美術を模索した熱い芸術家たちが各地に気炎をあげていた。関西の具体美術協会に所属していたアーティストたちはその好例であるが、関東でも伝統的な日本のデザインの価値を見直し、世界的視野でその復権を目指そうとした人々がいた。それが、大藪雅孝を中心とする東京藝術大学デザイン出身のアーティストたちである。特に、東京藝術大学で大藪に学び共に切磋琢磨していたのが、有元利夫、澁澤卿、宮廽正明ら当時20代の若者たちであった。有元、澁澤、宮廽は順に2,3歳の年齢の差のほぼ同年代であるが、最年長の有元は1985年に38歳の若さで亡くなり、澁澤も2012年4月に惜しくも鬼籍に入った。宮廽は現在、東京藝術大学社会連携センター長および日本美術院評議員の職責を負いながら国際的アーティストとして活躍中である。この度Karuizawa New Art Museumでは、大藪雅孝のデザイン思想をそのルーツから照射し、現代的意義をあきらかにするため、この有能な継承者3人を含めた4人の展覧会を開催する。それぞれ個性を際立たせた4つの個展(展示室)は、軽井沢の地で美しい協和音を響かせることだろう。
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企画
一般財団法人 軽井沢ニューアートミュージアム
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協賛
長野県、長野県教育委員会、軽井沢町、信濃毎日新聞社、軽井沢新聞社、軽井沢ニュース舎、KIAC(軽井沢国際芸術文化都市推進協議会)、東京藝術大学社会連携センター
関連イベント
でっかい屏風に絵をかこう!
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日時 :
2013年03月30日(土)