この度、花田和治の世界「色と形 ユーモアとポエジー」展を開催いたします。
花田和治は北海道で長らく活動していたアーティストで、他の地域で大々的に紹介されるのは今回が初めてのことです。
花田の描く絵画は抽象絵画といわれる分野の作品です。抽象絵画というと何が描いてあるのか判らない、専門的な芸術で難しいといった意見が多くて一般的になじみがないように思われがちですが、花田の作品はそんなイメージを一変させるものです。
カラフルな色彩、シンプルで面白い形、ユーモアあふれる作品群は鑑賞する人たちを楽しい気持ちにさせる魅力があります。どこか懐かしく、詩情あふれる絵画世界は、花田が愛する故郷の海や山といった自然や、身の回りの品々や身近な人々と想像の世界との融合といえるもので、モチーフをシンプルかつ美しく表現しています。
花田は2017年に惜しくも他界しました。当館では、知られざる優れたアーティストの再評価に取り組んでおり、今回の展覧会はその一環として開催するものです。
展覧会では花田和治の全貌をご理解いただけるようできるだけたくさんの作品を展示しています。ぜひごゆっくりとご鑑賞いただき、様々な作品と楽しい会話をしていただければ幸いです。
最後になりますが、展覧会の開催あたり多大なご協力を賜りましたご遺族ならびに関係者のみなさまに心より御礼申し上げます。
2020年11月
軽井沢ニューアートミュージアム 館長 松橋英一