【隈研吾展、展示替え後の新プロジェクトご紹介!】
新たに軽井沢の展示に加わったプロジェクトをご紹介いたします。
中国美術学院民芸博物館(2015年 中国浙江省)

中国・杭州の山あいに静かに佇む、中国美術学院民芸博物館。隈研吾が設計を手がけたこの建物は、かつて茶畑だった斜面の地形にそっと寄り添うように建てられた、
まるで風景の一部のようなミュージアムです。
建物全体がなだらかな斜面に溶け込むように低く構えられ、瓦屋根が折り重なるその姿は、どこか昔の山村の集落を想起させます。
古民家から再利用された古瓦を建物の外観や屋根に用いており、光を受けて柔らかく表情を変えながら、まるで「透けるカーテン」のように風景に馴染んでいきます。
この古瓦ひとつひとつのサイズのばらつきが、建物を大地により馴染ませる役割を果たしていると言えるでしょう。
斜面をたどるように内部空間が展開し、歩くごとに光や風、そして遠くの山並みとの対話が生まれるような空間に感じられます。伝統と現代、自然と建築が滑らかに重なり合うこの空間は、まさに隈研吾の哲学「負ける建築」を体現するような、静かで強い存在感を放っています。