草間彌生 (1929-)
日本が世界に誇る現代美術の巨匠。幼少時より幻覚に悩まされ、それを乗り越える手段として絵を描き始める。京都で日本画を学んだ後、1957年に単身渡米。主にニューヨークを拠点とし、1973年に帰国するまで、後に代表作となるネットペインティング、集積によるソフトスカルプチャー、ハプニングなど、常に新しい時代の先駆けとなる活動を行う。帰国後は小説や映画などメディアへの露出で知名度を得るが、画家としての国際的な再評価は1993年第53回ヴェネツィア・ビエンナーレでの個展が契機となる。1993年には直島に巨大な南瓜の野外彫刻を設置(ベネッセハウス)、新観光スポットとして注目される。MOMA(NY)、ホイットニー美術館、ポンピドゥー・センター、テート・モダンなど世界各地の代表的美術館での個展は枚挙にいとまがない。フランス芸術文化勲章オフィシエ、旭日小綬章、松本名誉市民、文化功労者、などに選出される。 2017年には文化勲章を受賞、母国においてもその評価と知名度を不動のものとした。今展では、日本画の情緒の色濃い渡米前の貴重な初期作品から、草間の代名詞ともいえる「インフィニティ・ネット」、故郷への想いが投射された『信濃路』など、その魅力を多角的に味わえる作品が並ぶ。