<作家紹介> アレクサンダー・カルダー(1898~1976)

アメリカ・ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ。画家・彫刻家。
父、祖父ともに高名な彫刻家という芸術家一家に生まれる。
ニュージャージー州のスティーブンス工科大学にて学び、機械工学士の資格を取得。工科大学で学んだ経験はのちのモビール制作などにおける素材の加工技術へと繋がった。
パリに住み始めた1926年、自身が好きなサーカスを主な題材とし、のちのモビールへと発展する針金彫刻(針金を曲げて人や動物などを形づくったもの)を制作し始める。翌1927年春には≪カルダー・サーカス≫と題した作品群による最初のサーカス公演も行われた。
1930年初め、抽象芸術家ピート・モンドリアンのアトリエを訪ねたことがきっかけで、
さまざまな色や(抽象的な)形が空間を浮遊する作品(モビール)の着想を得る。
モーターや風の流れによって動くモビールのほか、着色した薄い銅板をネジで固定したスタビール(動かないモビール)も制作した。
やがてカルダーはアメリカを代表する現代彫刻家として世界的名声を獲得し、彼の巨大モビールおよびスタビールは多くの公共の場や式典の際に設置された。彫刻に魅力的な動きとユーモアを与え、そして鑑賞する人々に生の喜びを感じさせる彼の作品は、いまなお多くの人に愛されている。