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嶋本昭三-前衛の衝撃- 展覧会図録

<制作者である当館学芸員に直撃インタビュー!>

今年の4月29日から始まった企画展、「嶋本昭三-前衛の衝撃-」。本展に伴い制作された「嶋本昭三-前衛の衝撃-展覧会図録」は当館で一から制作され、無事皆さまにお披露目することができました。本日は、その図録製作の中枢メンバーである当館学芸員4名に図録製作に携わってみての感想やエピソードなどをインタビューしました。普段明かされることのない貴重なお話しも伺ったので、ぜひお楽しみください。

1.嶋本昭三展の見どころと簡単な説明をお願いします。
A.国際美術展ヴェネツィア・ビエンナーレに招待出品するなど、海外で高い評価を受けてきたアーティスト嶋本昭三(1928‐2013)の日本では初めての回顧展です。初期の作品から、代名詞ともいえる“ビン投げ”、女性が美しく生きた証としての“女拓”、コミュニケーションを芸術として確立した“スキンヘッドアート”や“メールアート”など、嶋本の幅広い活動を紹介します。「芸術とは人を驚かせることである」と語った嶋本による“前衛の衝撃”を感じてください。

2. さて、無事に図録が出来上がりました。率直な感想をどうぞ!
A:嶋本作品を目の当たりにした、あの衝撃が今ここによみがえる。全出品作品カラー写真+拡大画像があなたをいつでも嶋本ワールドへ・・・。

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3. 展覧会図録を製作する目的とは何ですか?そもそも図録って何ですか?
A:図録とは学芸員の仕事のすべてと言っても過言ではありません。美大生や研究生にとっては、今後の研究のための貴重な資料ともなることも。展覧会では生の作品を体感することができるのに対して、図録は、図版や資料、専門家の論説などを通して、作品や作家、そしてその時代をより深く知ることができます。図録は優れた作品および作家を過去から現在、そして未来に伝えていくためにとても大切なものだと思っています。また、青春の思い出がつまった卒業アルバムのようでもあります。

4. 図録はどのように作られますか?
① 図録の構成を練る
② 原稿をつくる
文字原稿の作成(研究者や関係者への寄稿依頼、学芸員による執筆、リストや年譜などの資料の編纂、原稿の翻訳、著作権許可申請、画像の借用または撮影などの画像原稿の作成。
③レイアウトや表紙のデザイン
④校正(文章と色の校正)
⑤印刷、製本
⑥完成 (比喩ではなく文字通り血と汗と涙が本当に出ました。)
学芸員はもちろんのこと、作家のまわりの方々、論考執筆者、翻訳者、デザイナー、カメラマン、印刷会社などの多くの専門家が魂を込めて製作します。この場を借りて改めて、ご協力頂いた皆様方にお礼申し上げます。

5. 製作中に起きたハプニングはありましたか?笑い話などもあったら聞かせてください。
・支払いに行く時間がなくて家のガスを止められました。今もまだ水風呂です。
・連日の残業で寝不足だったので、下車駅が終点なこともあり、朝の通勤電車はたいてい寝ていました。ある日、あまりにぐっすりだったのか声をかけられて目が覚めました。起きかけの目に飛び込んできたのは、見知らぬご婦人の満面の笑顔でした。

6. 図録の表紙のポイントはどこですか?
・嶋本の作品はそれ自体がとても派手で迫力があるので、あえて外見は落ち着いた感じに、内身は明るく派手に仕上げました。
・エンボス加工をした裏表紙に浮き出る“あ”と先生のトレードマークでもあるスキンヘッドはどちらもメールアートで世界中を駆け巡りました。嶋本先生のキュートな頭をなでられる点もポイントです。

7. 図録のみどころポイントはどこですか?
・作品図版はもちろんですが、この図録にはパフォーマンスをしている嶋本先生の写真も多数掲載しています。ビンを投げている姿、佇んでいる姿、ヘッドアートで坊主頭に何かを書かれている姿。その時その時の先生の表情がとても魅力的です。
・「穴の作品」の裏表写真です!必見!新聞で手作りしたキャンバスならぬ「紙バス」が味わい深いです。

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8. 最後に、購買意欲をそそるアピールをどうぞ!
嶋本昭三は、自身の手法に拘泥することなく次々と新しいアートを生み出しました。さらには、「21世紀は作家が一人で作品を作るのではなく、個を超えた共同で作り上げていくコラボレーションアートの時代である。」と語ったその先見性には注目すべき所があります。

論考・資料、嶋本をとりまく人々の熱いメッセージや様々なエピソードが詰まっています。嶋本の生きざまはあなたのヒントになること間違いなし!日本の美術館初の展覧会図録!限定3000部!興味のある方は是非お早目にお買い求めください!

学芸員の皆さん、お忙しい中ありがとうございました。皆さんの嶋本展に対する思いや図録に込めた魂がひしひしと伝わってきます。予期せぬ事態に対応しながら、こだわり抜いて製作したこの図録を届くのを不安と期待が入り混じった気持ちで待ち、宅急便によって届けられた時はスタッフ一同、安堵したものです。「嶋本昭三展―前衛の衝撃―」で味わった感動と驚きを常に手元に残しておきたい方、自分用、普及用、保存用と最低でも3冊はご購入ください。あの衝撃がいつでも鮮明にあなたの心を揺り動かす!多くの方にお手にとって頂けることを願っております。

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たつみなつこ ~バブルガムシリーズ~

今回、ご紹介するグッズはショップでも大人気のグッズ、「たつみなつこ」さんのバブルガムシリーズです。ミュージアムショップだけでなく、オシャレなセレクトショップなどにもグッズが取り扱われており、一度は見た事があるのではないでしょうか。

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バブルガムシリーズとは、人物(ときに動物や雪だるま)が風船のようにガムをプクーっと膨らませている横顔を、何ともシュールに、かつデザイン的に表現したオリジナリティに溢れたイラストです。先日のネコグッズの際も写真に撮っていました。
先生曰く、「メールなどパソコンの文字に慣れてしまった現代、そんな時代だからこそ、時には手書きで思いを伝えること、速さが求められる現代だからこそ、時にゆっくりと落ち着いた時間をつくること、またその中に楽しさを送り届けることを目的に制作したシリーズ。」とのこと。
確かに今の現代社会は、パソコンやケータイでの通信がほとんど。本当に手書きでメッセージを送る人が少なくなりました。そんな今だからこそ、たとえ短い文章でも誰かに向けて言葉を紡ぐというのはとても素敵なことのように思います。
このバブルガムシリーズなら、メッセージと一緒に相手が少し「クスっ」とするようなユーモアも送れるはず。また、そのあとの会話もこのカードを起点に風船ガムのように膨らむのではないでしょうか。

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一見ものすごくシンプルな形。でもなかなか考えられたデザインだと思います。
横顔というのは正面画に比べるとそれ自体がデフォルメ(簡略化)されているような気がします。本来2つある目や耳、鼻の孔などが1つで良くなるからです。
実際、ヨーロッパのルネサンス時代の肖像画や海外のコインなどでも表現の効率性を考えて横顔で描かれることが多かったそうです。ただ、単純でいてシルエットで見てみると正面よりも横顔のほうが形としては分かりやすく、何かを伝える時は複雑な物よりシンプルなほうが伝わるというのが良く分かります。まさにデザイン的といえます。

たつみなつこさんの場合は更にバブルガムが加わることで、シンプルでありながら独自性がしっかりあるのがポイントです。また、バブルガムと言いつつも、風船の形が吹き出しのように見えるのもメッセージカードとして使いやすいデザインになっています。
これぞアイディアの素晴らしさ。デザインの醍醐味と言えるのかもしれませんね。

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バブルガムシリーズで言葉を添えるアイテムは、メッセージカードに加えて付箋とポストカードがあります。更に絵柄をあくまでデザインとして捉えてプリントした、タンブラーとガーゼタオルもございます。これまたシュールです。
ちなみにガーゼタオルには「thank you」の文字がバブルガム(吹き出し)の中に書かれていますので、感謝を「伝える」プレゼントとしてもオススメです。

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最後に、余談ですがプロフィールという言葉は日本語に訳すと横顔という意味だそうです。なぜだかは知りませんが、人の性格は顔に出るとも言いますし、さらに言えば正面で見るよりも不意に見る横顔(無意識な表情)の方がその人を表しているのかもしれません。
人以外のネコとか動物にも当てはまるんだろうか・・?

まぁそんなことは置いといて、皆さんもこのバブルガムシリーズで、横顔でも一言でも、たまには手書きでメッセージを伝えてみては如何でしょうか。


すぎはらゆり~ジャズとネコとそして、イカ?~

以前ご紹介した、KaNAM自慢の猫グッズたちの数々。
その中でもひときわ存在感を放っていたのが…そう、以前の記事を読んで下さった方には“ネコリョーシカ”ですでにおなじみ、すぎはらゆりさんです。

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すぎはらゆりさんは東京出身のアーティスト。
2005年ごろより本格的に展示活動を開始、2008年に初となる個展を開催され、2011年にはNYのアートフェアにも参加(Verge ART FAIR N.Y)。伊勢丹新宿店で毎年開催されている猫展には、毎回多くのファンの方が訪れています。

すぎはらさんが主に描くモチーフはずばり、ネコとイカです。
とくにネコが主役の作品が多く、たくさんの種類を取り揃えているポストカードでは、しめじ(キノコ)の房に隠れて遊ぶネコ、文字通り缶詰めになっているネコ、そしてビキニ姿でイカの背に乗るネコなど、ちょっと変わった、でも楽しいネコとイカの作品がお楽しみいただけます。

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陸にすむネコと、海にすむイカ。なんともミスマッチともいえるこの動物の組む合わせ。
作品にもどこか不思議な世界観を添えているこの二匹の関係が気になるところです…。

実はこのイカ、正しくはイカ紳士と言って、なんと職業はバーテンダー。
そしてネコはイカ紳士のバーで働くアルバイト。しかも同棲しているとか…。
作品をよく見てみると、時折イカ紳士の胸元(?) には、バーテンダーらしく蝶ネクタイが。
イカ紳士といるネコの方もよく見るとかわいらしいだけではなく、流し目のような、どこかアンニュイな表情のようなを浮かべています。
一見絵本のような作風とは裏腹に、二匹の間には子ども向け絵本には収まりきらない、
深~い関係があるようです。

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そして、すぎはらさんの作品には、たびたび楽器を演奏するネコの姿が描かれますが、
実はすぎはらさん自身も、ジャズを愛し、そして実際にバンドに加わってパーカッションを演奏されています。もともと学生時代にジャズオーケストラの演奏を聴いたことが、作品制作・モノづくりへの情熱を燃やすきっかけとなったのだそうです。
楽しそうにトランペットやギター、太鼓を鳴らすネコたちの姿は、きっとバンドで演奏しているすぎはらさん自身なのかも知れません(きっと作品もこんなふうに楽しんで製作されているのでしょうか…)。今にも飛び跳ねるようなジャズの音色が聞こえてきそうです。

ミュージアムショップで取り扱い中のすぎはらさんグッズは、以前ご紹介したネコリョーシカの他、にんまり意味ありげな表情に惹かれる、一点一点手作りのクレイブローチ、
モノクロで表現されたクールな猫イカの世界が和の雰囲気にマッチする手ぬぐい、そして最後は使うのがもったいないほど!猫イカのそれぞれ異なる絵柄が楽しい付箋の全四商品です。猫好きの方はとくにまとめ買いされていく方もちらほら…。

“モノを生み出す”という共通点のもと、平面、立体、そして音楽…と多彩な才能を見せるすぎはらゆりさん。
ジャズのように楽しく踊るように、そして時として予想もつかないアドリブが飛び出すように、(まさにネコとイカのコンビのような)新たな作品やグッズたちが、これから楽しみです。

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