「アートはサイエンスⅡ」展 アーティスト紹介 #5 マイク・タイカ
現在、開催中の「アートはサイエンスⅡ」展に出品いただいている作家さんとその作品を担当学芸員が紹介します!
第5回目はマイク・タイカさんです。
人工知能が人の手を離れて自分で絵を描き始めたら…。
そんなSFのような世界が、すでに始まっています!
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《Carboniferous Fantasy》
マイク・タイカ
「Deep Dreams」
夢で見たことがあるような、不思議な光景や生きものたち。
大量の画像を見たコンピューターが、自動的に描いた絵です。
作者はマイク・タイカ。Googleの画像生成AI「DeepDream」開発者の一人です。ヒトの脳神経と同じ構造を持つ人工ニューラルネットワークに大量の画像を見せ、ものの特徴を識別できるようにしました。すると、ニューラルネットワークは学んだ法則をベースに新しいイメージを次々と生み出しはじめたのです。まるでヒトが夢を見るように・・・
《Inceptionism: Cities – Gates》
もう一つのシリーズ「Portraits of Imaginary People」は、
“存在しない人物の肖像画”です。
実際の人々の顔写真を大量に見たプログラムが描きました。
このプログラムは、2つの敵対するネットワークを競わせることで絵を完成させます。
一方は、人間そっくりな顔を作り出す訓練をし、「これは本物の顔写真だ」と主張します。
もう一方は、本物の顔と作られた顔を見分ける訓練をして、「これは作り物の顔だ、ここが本物と違う!」と指摘し続けるとのこと。一見、親しみを感じて絵に近づくと、「似て非なるもの」との遭遇に心がざわめくことでしょう。
(学芸員 菊池夏乃子)
《Portraits of Imaginary People》
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マイク・タイカ
2007年イギリスのブリストル大学にて生物物理学博士号取得。ワシントン大学の研究員として、タンパク質の構造と動態について研究。タンパク質の折りたたみ構造に興味を持ち、シミュレーションソフトを作成。2009年シアトルにアーティストスタジオALTSpaceを共同設立。タンパク質の構造を再現する彫刻を制作し始める。2013年Google社(シアトル)にて機械学習の研究を開始。2015年人工ニューラルネットワークを用いた制作を始める。「ディープ・ドリーム」を用いた大規模作品を制作。
○「アートはサイエンスⅡ」展については
こちらから
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驚きの絵画世界を会場でぜひ!
⇒次回は「#6 靉嘔」2018.2.23(金)に掲載予定です。
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