お知らせ

「アートはサイエンスⅡ」展 アーティスト紹介 #1 千田 泰広

現在、開催中の「アートはサイエンスⅡ」展に出品いただいている作家さんとその作品を担当学芸員が紹介します!
第1回目は千田泰広(ちだ やすひろ)さんです。
今回出品いただいている作品はインスタレーション《0.04》。ライトで照らされた水滴が重力によって落ちる時、その1滴1滴がレンズとなって展示空間に光と影を映し出します。

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 千田泰広《0.04》

オーロラ、幻日、彩雲、グリーンフラッシュ、蜃気楼、コロナ、薄明光線、ハロ、スカイパンチ、ダイヤモンドリング、ブロッケン現象、ビーナスベルト、地球影、サンピラー。これらの現象を実際に観たことがある人はどれだけいますかね。私はどれもみたことないです。いくつかの偶然が重なることで発生する奇跡的な自然現象は常に人間の意図とは無関係なのです。古くは神の御業として恐れ敬われ、現在でもその遭遇は貴重かつ神秘的であるとされます。さぞ心躍ることでしょう。

 それでも虹はみたことありますよ。みんなあるでしょう。出現率はやや高めの不思議光学現象です。みると嬉しくなりますね。あと朝焼けとか夕焼けとか、空気が澄み渡っている時の空模様とか、夏の入道雲とか。毎日のことだからあまり気にされない方が多いでしょうが、考えてみてください。太陽は燃えているし、星空は地球という星から観た宇宙の景色ですよ。人間が大自然と向き合うときに得る感動は、芸術のそれとはまた異質なものなのかもしれません。しかし、目の前に広がる景色や出来事の美しさ、不可思議さに、静かに沸き上がる衝動、静寂の内に秘めた興奮、あなたの心が拍手喝采、なんていう感動を久しく味わっていますか?
 千田泰広のインスタレーション空間のなかは、私たちにそんな感動を与えてくれるでしょう。その暗闇に心身を染み込ませ、その現象が発現したとき、君の新たなる感覚が疼く。ゾワッとしてください。(主任学芸員 鈴木一史)

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千田 泰広 (ちだ やすひろ)
1977年、神奈川県に生まれる。武蔵野美術大学建築学科専攻。高所登山やケービングなどのフィールドワークを行い、「空間の知覚」と「体性感覚の変容」をテーマに作品を制作。空間の実体化を試みる。近年では2016年チェコ最大の芸術祭「SIGNAL FESTIVAL」(プラハ)に日本人として初選出。2017年種子島宇宙芸術祭(鹿児島)、「アムステルダム・ライトフェスティバルなどに出品。

インフォメーション
○今後の活動
2018.2.24(土)-3.18(日)「シンビズム 信州ミュージアム・ネットワークが選んだ20人の作家たち」
(長野県木曽町、御料館)出品。
2018.3.5(月)-3.23(金)「解体直前 アーティスト・イン・レジデンス in 長野県信濃美術館 」にて公開制作、2018.3.24(土)-3.31(土)作品発表。

○千田泰広 H.P は

こちらから

○「アートはサイエンスⅡ」展については

こちらから

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気になられた方はぜひ会場で体感してくださいね。
ご来館お待ちしています!
⇒次回は「#2 ジョン・ケージ」2018.2.5(月)に掲載予定です。

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