ギャラリー

ミズテツオ展 MIZÙ

インフォメーション

期間
2022年03月18日 - 2022年04月24日
会場
1F ギャラリー
開館時間
10:00-17:00

休館日
毎週月曜
臨時閉館・開館のお知らせ
* 祝日3月21日(月)は開館、3月22日(火)休館
料金
無料
お問い合わせ先
軽井沢ニューアートミュージアム
Tel. 0267-46-8691
ギャラリー 柾谷(まさや)

概要

昨年画業50周年を迎えた画家・ミズテツオの個展を開催いたします。
ミズテツオは船舶間のコミュニケーションに不可欠な“国際信号旗”を絵画世界に取り込み、独自の世界を確立。1980年代から1990年代にかけて欧州で脚光を浴び、イタリア・フランス・スペインなどで展覧会が多数開催されました。

「フラッグ」シリーズは抽象画でありながらどこか詩的な抒情をあわせ持ちます。抽象の粋を極めた絵肌、曲線・色彩のインスピレーションの源は、船上にはためくフラッグであると同時に、イタリアの広場で明るい太陽の下にたなびいていた万国旗の数々でもあります。抒情性という点では、画家が師と仰ぐモディリアーニや竹久夢二の哀愁を帯びた作風の影響もあるでしょう。そのほか、浮世絵や花札の絵柄といった、日本文化固有の含蓄をも感じさせるマットな質感は、観る者を惹きつけずにおれません。

今展では1990年代から2000年代の代表的な「フラッグ」作品を中心に、現在へ至る抽象化の過程が垣間見られる重要な初期作品「声」、2020年のコロナ苦境にいち早く反応し筆を執った「CORONA, ViRUS」、2021年の最新作までを展覧いたします。
ミズテツオの瑞々しい情緒豊かな世界をご堪能ください。


メッセージ

©ミズテツオ

なぜ画家になったか(思い出しながら)

両親 徹(52才没)きん(68才没)
父の生きざま、そして、父死後の母の苦労。

クラシック音楽、家の本箱にあった百田宗治と八木重吉の文庫本の詩集。
絵画に対しての関心は全くなかった。
14才頃より煙草を吸い、多分 母と二人だけの生活に不満があったのか? 非行に走り、その頃より女の子との交際も頻繁に行う。父の死後、父方の家系に対する嫉妬や悲しさを感じ、それは富と貧しさだと思う。
ある時から、本名から母の姓「水島」を使うようになる。

俳優を志す。その時出会った同期の本田保信は終生の親友となる。
格好の良い三才上の兄に金魚の糞のようにくっ付いていて、何をやるにも兄のしたことが素敵に思えた。
70才で亡くなったその兄を思い出しても、今でもそう思える。

ここで僕の人生に何らかの影響を与えてくれた人物や風景などを記す。
ベートーヴェン、モーツァルト、ショパンなどすべてクラシックで。特にメロディーがあり、切なく抒情味のある曲を愛した。滝廉太郎やフォスターも好きであり、宮城道雄の琴の曲も好んだ。最近はスメタナの『モルダウ』に涙する。そして、客船の船長の義兄、モディリアーニ、夢二、太宰治(僕は全くと言って文学を知らず、親友の本田保信に太宰の『斜陽』を薦められて見る見るのめり込む)
藤林叡三先生 平田淑雄先生 柴田みどり先生 椿原弘也 石井実 塚田晴可 畑中昭彦 武石淳 アメリーゴ エリオ J・Pシュナイダー ファイク 武市憲治 岡田光市 今野和子 浜克子 北原白秋 若山牧水 萩原朔太郎 小川英晴 高杉晋作 神明重光 真木竜子 白水真子 米澤章雄 坂崎乙郎 佐藤春喜 佐藤達男 白石幸生 白石幸栄 本多隆彦 藤堂和子 松本竣介 井上長三郎 一木平蔵 醍醐イサム 平澤重信 堀越千秋 竹中直人 有元利夫 梅野亮 斎藤昇 水村喜一郎 平田サロンの人々 ブルーブルーの人々 ベン・シャーン エンニオ・モリコーネ 榛名湖 伊香保温泉 新潟長岡 田沢湖 前橋の広瀬川 宗達 カーネギー バルザック モラヴィア バスコ・プラトリーニ

好きなもの 納豆 おしるこ 鮪の赤身 うどん イタリア料理 チューリップ ひまわり バラ
忘れられないものとして 小学校の頃教室で、ベートーヴェンの『運命』を兄が低音、僕が高音を二人でハモった事を今でも鮮明に憶えている。アコーディオンを弾く叔父水島健のカタカタという下駄の足音、小学生の夏休みプールから出た気だるい体にオルガンの音。僕はフランス映画『コーラス』に自分を見る。『群盗荒野を裂く』の映画から、ジャン・マリア・ヴォロンテより人を学んでいる。

あとは 青い鳥になりたいな

2020.10.23   ミズテツオ


プロフィール

©ミズテツオ

ミズテツオ

海上における船舶間の通信に用いられる「国際信号旗」を組み合わせてタイトルをデザインしてゆくフラッグ・シリーズにより、1980年代に一躍脚光を浴びる。イタリアやフランス、スペインに長く居住し、各地で展覧会を行う。 極細のラインに仕切られるマットで質感のある絵肌は、現代の抽象でありながら浮世絵との類似を指摘されることもある。

作家略歴

1944 東京都に生まれる。
1968 モディリアーニの絵と出会い生涯の師と決める。
1971 武蔵野美術学園に学ぶ。
1983 イタリア(ローマ)に滞在、制作。(〜86年)
1987 聖アンナ教会(ローマ)のステンドグラスを制作。
1988 フランス人画商JPシュナイダー氏とヨーロッパ・アメリカの独占契約を結ぶ。
1989 スペイン(パルマ)に滞在、制作。
1992 フランス(パリ)に滞在、制作。(〜96年)
1994 パリ、シャイヨー宮国立海洋博物館にて個展「MIZU」を開催。
1996 長野冬季オリンピック会場(ホワイトリング)に巨大陶壁画(6×32m)を制作。
1997 フランス(ボーヌ)に滞在、制作。
ロッテルダム(オランダ)、MARITIME MUSEUMにて個展を開催。
2000 トルコ(イスタンブール)に滞在、制作。
2009 横浜開港150周年記念博覧会「開国博Y150」に出品。
2016 ホワイトストーンギャラリー(軽井沢)にて個展開催。
2018 軽井沢ニューアートミュージアム「今、世界で再評価され続けている日本人作家」展にて特集展示。
ホワイトストーンギャラリー(香港)にて個展開催。
2019 NEW ART LAB(銀座)にて個展開催。
ホワイトストーンギャラリー(台湾)にて個展開催。
2020 ホワイトストーンギャラリー(銀座)にて個展開催。

その他、国内・海外において個展を多数開催。
Art Basel(スイス)、FIAC(パリ)、Art Rio(ブラジル)などアートフェアにも多数出展。


ミズテツオ展 展覧会ポスター 会場と公式オンラインストアで販売中  

イメージ

ミズテツオ『VHS』 24.3×33.4 cm / パネル カンバス 油彩 / 2020

ミズテツオ『NO TITLE』100.0×100.0 cm / パネル カンバス 油彩 / 1995

ミズテツオ『JAPAN』102.0×102.0 cm / パネル カンバス 油彩 / 2021

ミズテツオ『P.F』40.0×59.5 cm / 額 カンバス 油彩 / 1994