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「サファリ」しかけえほん~動く画像で見る野生動物の世界~

サファリという言葉の意味を私はアフリカの総称やサバンナなどの地名の一種のように思っていましたが、まったく違っていました。皆さんは言葉の意味をご存じでしょうか?
サファリとは、アフリカ大陸を陸路で移動しながら、野生生物の鑑賞や狩猟を行うことを指す言葉だそうです。スワヒリ語で「旅行」いう意味だとか。
サファリパークとはそういう意味かと、今さらながら理解した私です・・。

この本は、そんな「サファリ」な体験が出来る素敵なしかえ絵本です。作者は、ダン ケイネンさんと キャロル カウフマンさんという方々。ただし、こちらは翻訳版になります。
ダンさんは、この本の一番の見どころである「動く写真」を担当した方。子供は勿論、大人も食いつかずにはいられない不思議なこの仕掛け。ページをめくるとその速さに合わせて動物がびっくりするくらい躍動するのです。あるサイトには、ハリーポッターに出てくる動く写真のようだと語っていました。確かに!!

ただし、こちらは魔法ではなく、ダンさんの考案した「技術」の成せる技なのです。本のはじめに、この不思議な仕掛けに関する説明があります。
これは「Photicular(フォティキュラー)」という技術だそうで、これまでの「レンチキュラー」という技術を進化させたものだそうです。~以下抜粋~
「動画のもとになる静止画像の1コマ1コマを取り出し、短冊状に細長く切り分けます。さらにそれらを順番に並べることで、1枚の基本画像を作ります。一見見ただけでは、画像をいくつも重ねた、1枚のぼやけた画像にしか見えません。画像の上には、同じく細長いレンズを無数に敷き詰めたシートを配置します。そのレンズシートを画像の上で動かすと、そこに魔法が生まれます。写真の中のものが、まるで映像のように生き生きと動き出すのです。」お判りでしょうか?私も何となくの理解です(汗)

詳しくはネットで検索して頂ければと存じますが、
簡単に説明すると、仮に赤色の紙、青色の紙、黄色の紙があるとします。それぞれを短冊状(細長い形)に切り分け、それを赤青黄色赤青黄色と並べていきます。そして、上記の細長いレンズを並べたレンズシート配置します。ポイントとしては、この細長いレンズはカマボコ状(いわば半円形の棒)になっているようで、要するに、この球面によるレンズの屈折の関係で、赤だけが見える時、青だけが見える時といった具合にコマが切り替わります。これが連続画像を用いることで「動き」が表現できるわけです。
なので、シートを動かす(ページをめくることで動く仕組みになっているようです)だけでなく、こちらの視線を動かすだけでも画像が動いて見えるのです。
過去のトピックスでしかけ絵本「SANTA!」を紹介いたしましたが、あちらは「スキャニメーション」という、似ていますが少し違った技術です。白黒のストライプのシートを動かすことで、下の画像が見え隠れし、黒いラインで隠れた部分を目が視覚情報として補完しようとする働き(目の錯覚)を利用した技術です。こちらはレンズを使用しようしていないため、ページをめくれば動きますが、目線を動かしただけでは画像は動きません。

画像で紹介される動物は、順番にチーター、ライオン、ゴリラ、サイ、シマウマ、ゾウ、ガゼル、キリンの8種。それぞれが図鑑形式で情報と共に紹介されています。
まず、表紙のチーターは最初にして、一番この「Photicular(フォティキュラー)」の技術が生かされた動物ではないでしょうか。ページをめくった時のチーターの疾走感はまるで本物の走りを見ているようにも感じます。
個人的にはライオンも好きです。こちらは少しゆっくりページをめくるぐらいが、ライオンの重たい体で走る感じにはちょうどいい気がします。横ではなく縦に、こちらに向かって走ってくる構図は、迫力・野生の狩人といった雰囲気をより感じさせてくれます。
そして、最後のキリンの紹介では、アフリカの夕日をバックにしたキリンが動きます。本の終わりに陽が沈む画像を持ってきているのも憎い演出でしょう。アフリカの1日、サファリの体験の終わりを迎えるかのようです。
画像は勿論、そういった演出でも本当に「サファリ」を体験しているように感じさせてくれる工夫が施されているように感じます。

そして、この本のもう一つの体験ポイントは、もう一人の作者、エッセイ担当のキャロル カウフマンさんによる、実際のアフリカ旅行体験談です。私は動く写真に気を取られて、最初は気づきませんでした・・。内容は、「えほん」ではありえないほど読み応えのある文章・体験をつづっています。
旅行は、この本の製作に当たって取材に行かれたそうで、向かった先はアフリカ、ケニアのマサイマラ国立保護区というところ。話の内容は詳しく飛行機の着陸から始まります。ガイドはなんとマサイ族の人たち。サファリのガイドは、野生の動物を相手にする仕事です。旅行客の安全を保障するためにも、その地に生まれた時から動物たちを知っている、小さな動き、危険も見逃さない彼らたちにしか出来ない仕事なのです。
彼らのガイドのもとで、広い大地をひた走り色々な動物たちを探していきます。メインの紹介動物は上記8種ですが、この体験談にはそれ以外のヒョウやハイエナ、スイギュウなど様々な動物のエピソードが紹介されます。
動物図鑑とは違い、野生動物の生態だけでなく、マサイ族の人たちについて、サファリのキャンプとはどんな所なのか、サファリの1日について体験をつづっています。実際の体験を知ることで、より「サファリ」を体験しているように感じられるのです。

動く写真だけでも十分、子供から大人まで楽しませることが出来る作りですが、この体験談があることで大人はより楽しむことができ、子供も幼児から成長していく過程で、より深く意味を理解していき、長い時間をかけてこの本の素晴らしさを実感していけることでしょう。

この本の同じシリーズには、海の生物を紹介した「オーシャン」があります。こちらも当館で取り扱っております。また、3月には翻訳版の新シリーズ「ポーラー」が登場。今度は北極の動物たちが動きます。こちらも取り扱い予定!
興味のある方はぜひご覧になってみてください。

サファリ_1
サファリ_3