ヴェンチューラ展 まずはじめに

ようこそ!ロナルド・ヴェンチューラ展へ。
この展覧会は7つのグループで構成されています。これらの分類はアーティスト、ヴェンチューラの芸術に対する様々な意識レベルの部屋と考えてください。ヴェンチューラは人間の「肌」に着目し、この展覧会において、違う部屋に入るたび、今現在の“皮膚”を脱ぎ捨て、新しいもの、今現在のもの、そして未知の領域のものへと勇気を持って踏み込んでいきます。ヴェンチューラは特定の形や、はかないものを愛し、常に変化し続けているのです。

ヴェンチューラは過去にも多くの展覧会をしてきたのですが、完全に自分自身の精神状態を把握していたことはありません。ある展覧会に向けて作品を仕上げようとしていると、むくむくと好奇心が湧いてきて、新しい形や新鮮なアプローチ、まだ試したことのない表現方法に目がいき、彼は迷います。そのせいか、重複が起きるのです。こうして作品の制作は続きます。
Karuizawa New Art Museumの展示空間はグループでそれぞれ分かれているわけではなく、各々の部屋は表現の変化にしたがって展開しています。


1Fの展示作品について

1Fの展示空間に展示されている作品はハーネミューレの版画、ガラス繊維、そしてポリストーンという様々な素材によりできています。ある種のヴェンチューラの遊び心がちりばめられているのがわかります。
スポンジ・ボブやザ・シンプソンズ、そしてマスコットのブルドックはアーティストの可愛らしく常に好奇心いっぱいの高次元(メタ)ポップの世界の仲間入りをしています。
また、版画作品に見られる幾何学的な繭に包まれた動物と人間のハイブリットな共生体(キメラ)もこの空間の雰囲気作りに一躍かっています。
これから何かが起こりそうな予感です。