ロナルド・ヴェンチューラ 「第2展示室の彫刻について」

第2展示室では色とりどりのクマの群像《ヒューマニムシリーズ》(2021年)やLEDライトで光る二つの巨大な《ユニコーンの角》(2012年)、ギリシャ彫刻とロボットをミックスしたような風貌の《ヒューマニムガール》(2011年)が目にとびこんできます。おもちゃ箱を開けたような楽しさと同時に、これらが作者の好む「遊び」、「おもちゃ」と「崇高さ」、「伝統」、「芸術作品」などの言葉に問いを投げかけるかのように、”矛盾”に満ちた意味を含んだ作品となり、その戯れの空間へと私たちを誘い出してくれます。

ヴェンチューラの作品にはプラスチック、ガラス繊維(いわゆるFRP)が使用されており、鉄、石、木など個々に表情の違う自然素材を用いた従来の彫刻とは異なり、いくらでも複製が可能な工業製品にも通じ、デジタルな世界と消費社会などの現代性を反映した素材ともいえます。


《ヒューマニムシリーズ》2021年 ガラス繊維、樹脂、ポリウレタンペイント 21.0×24.1×30.5㎝(×24個)


両端は右から《ユニコーンの角3》276.9×66.0×66.0㎝と《ユニコーンの角2》292.1×69.8×69.8㎝ いずれも2012年制作  ガラス繊維、樹脂、ポリウレタンペイント、LEDライト
真ん中は《ヒューマニム2》2011年 ガラス繊維、樹脂、スチール、ポリウレタンペイント 182.1×82.0×82.0㎝


《ヒューマニムガール》2011年 ガラス繊維、樹脂、ステンレススチール 67.3×114.9×52.0㎝