ロナルド・ヴェンチューラ《ブラックスターシリーズ》・《波》2016年

第1展示室の《ブラックスターシリーズ》と《波》(2016年)についてお話します。

フィリピンには「ブルル」とよばれる神像があります。ブルルとはフィリピン北部の山岳民族、ルソン島イフガオ族の人々がこよなく愛するお米の神様です。体育座りをしたような格好の神様の姿は、バナウエという棚田を含め、イフガオ州ではよく目にするそうで、ブラックスターシリーズのこの細面で三角の笠のようなものをかぶっている姿は、もしかすると稲作をする農耕民族を意識するものかもしれません。

一つは座ったようなポーズをしていてよく似ています(《ブラックスターシリーズ2》)。

この、ブラックスターシリーズ、見かけはとげとげしく先端部分は粗野な作りをしているものばかりかと思うと、手前の《ブラックスターシリーズ7》の肉体は黒光りして筋骨たくましく、ツルっと滑らかで美しいラインをしています。真ん中の作品二体も同じ素材でその子どもたちのように、小さくピチピチとして生命力や躍動感にあふれています。

これらの彫刻群は今回の展覧会で特別に、宙に浮いたボート型の作品《波》とコラボレーション企画として同室で展示されています。


第1展示室 「ブラックスターシリーズ」
《波》2016年 ガラス繊維、樹脂、木、ビデオプロジェクション、音 411.5 x 76.2 x 139.7㎝(真ん中奥)


《ブラックスターシリーズ 2》 2016年 ガラス繊維、樹脂、鉄、アクリルペイント、LEDライト 111.8 x 86.4 x 157.5 cm


《ブラックスターシリーズ 7》2016年 ガラス繊維、樹脂、鉄、アクリルペイント 243.8 x 96.5 x 208.3㎝